永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

愛されキャラ。

f:id:nagoya-meshi:20200702224047j:image

同世代の人と語り合う月間」の第5弾。一昨日、名古屋・大須のステーキ店『大須万松寺 五代目橋本』の橋本卓さんと呑んだ。橋本さんは同世代ではなく、7歳年上。だから、橋本パイセン(笑)。

パイセンとのご縁は20年近く前。『週刊アサヒ芸能』の取材がきっかけだったと思う。長い間、電話で話をするだけで、リアルにお目にかかったのはここ2、3年前くらい。昨年あたりから「ナガヤちゃん、呑みに行こう♡」と、お誘いいただいており、ようやくそれが実現したというわけだ。

橋本さんは大須で生まれ育ち、店名の通り、五代にわたって大須で商売をしている。いわば、大須の顔役である。それだけに、橋本さんの店には名だたる会社の役員や芸能人、スポーツ選手、政治家が訪れる。

中には橋本さんをうまく利用して……なんてことを考えて近づいてくる不届き者もいるらしい。しかし、そんなことは橋本さんも想定していて、というか、そういうヤカラはすぐにわかるという。

私のような木っ端カメラマン&ライターでさえ、「あ、このままコイツと付き合っていても利用されるだけだな」と感じることもある。利用するなら、すればよい。ただし、私にとって仕事が「すべて」であるから、私がその相手をリスペクトできれば、だが。

リスペクトする気持ちを失ったら、すぐに切る。ボロカスに言われようが躊躇なく切る。残り少ないカメラマン人生、ライター人生なのである。バカと付き合っているヒマはないのだ。

橋本さんの話に戻そう。橋本さんは、私のFacebookやブログを隈なく見ていて、私のことは何でも知っている(笑)。一昨日は、私がブログに書いた「美意識」について語り合った。橋本さんがスゴイのは、持論を展開する前に必ず

「ナガヤちゃんと意見が違うかもしれないけど」と、前置きをすることだ。

人は意見やイデオロギーが違っても解り合うことができるのだ。それを橋本さんもわかっている。そもそも、イデオロギーなんぞは、変わることもある。現に、極右だった私が緩やかな右巻きに変わったからな。だから、たかがイデオロギーの違いで人格まで否定するのは、バカのやることだ。

ご覧の通り、橋本さんはコワモテだが(笑)、イデオロギーを超えて愛される存在、つまり、「愛されキャラ」なのである。本人は気がついていないかもしれないけど。だからこそ、いろんな人が集まってくる。私の周りには、そんな人がいっぱいいる。私もそうありたい。

橋本さんについて、どうしても書いておきたいことをもう一つ。新型コロナの緊急事態宣言中、私は大須の街をテーマに企画を考えていた。結論から言うと、実現することができなかったが、その際、橋本さんに相談にのっていただいた。

「ナガヤちゃんが大須でやってみたいことがあれば、人も紹介してあげるし、オレにできることだったら協力するから」と、おっしゃってくださった。その時、橋本さんも店を閉めていて大変だったにもかかわらず、である。本当にありがたいと思った。損得勘定なしで付き合える相手がいるというのは、幸せなことだ。

重鎮。

f:id:nagoya-meshi:20200701170049j:image
朝イチで名古屋料理界の重鎮の店へ取材に行ってきた。

「もう、オレは年寄りだからいいよ。若い人の店へ行ってくれよ」と仰るのを何とか説き伏せて取材のアポをとった。ここは以前にたった一度だけ行ったことがあり、私のことも覚えていてくださった。ただし、「名古屋めしの子」として(笑)。

重鎮は店を開いて30年超。10年でもスゴイのに、30年というのは奇跡に近い。しかも、今もなお名古屋料理界のトップの座に君臨しているのである。

前回取材へ行ったときも感じたのだが、独特のオーラを纏っている。いや、『北斗の拳』のラオウのような“闘気”と言った方がしっくりくるかもしれない。ピリッとした緊張感を覚えながら、取材がスタートした。

2、3年前から従業員を入れずに、マダムと2人で店を切り盛りしている。

「20人とか予約が入っちゃうと、つい、『忙しいのに受けるな!』ってカミさんに言っちゃう。でも、『本当に受けなくてもいいの?』って(笑)」と、重鎮。なんか、昔の料理人っぽくていい(笑)。驚いたのは、重鎮が放ったこの一言。

「魚とかを切ってるとさ、あー、こうすればもっとうまくできるんだぁって気がつくことがある。それが楽しいんだよね。30年もやってこれたのは、やっぱり料理を作ることが好きだからだよ。食べた人が『美味しい!』って言ってくれるのが嬉しいからだよ」

御年61歳にして、貪欲に料理と向かい合っているのである。しかも料理について語る重鎮は、子供のように目を輝かせている。本当にスゴイ!めちゃくちゃ感動した。重鎮からすれば、51歳の私なんざぁチ○コの毛が生えそろったガキ。まだまだ頑張らねば。


※写真は、取材終了後に食べた『キッチン はせ家』の「鉄板ミート」。同行した東京の編集者は、「イタリア人が怒るやつ」と、呟いた(笑)。

美意識。

f:id:nagoya-meshi:20200701001427j:image
好き・嫌いはハッキリとしている方だと思う。とくにフリーとなってからは、その傾向が強くなったような気がする。まぁ、たった一人で仕事をしていくには、自分の気持ちをハッキリさせておかなければならないと思ったのだろう。

年を重ねるうちに、自分の性格が自分でもわかってきたせいか、嫌いな人やもの、ことが増えてきた。大人はそれらをグッと堪えて、少したりとも顔に出さずに生きていくんだろうけど、私にゃムリだ。

あ、でも、嫌いだからといって、表立って悪口を言ったりはしない。だって、ほら、私も大人だからね(笑)。その分、ブログに書かせてもらうけど(笑)。

「嫌い」シリーズ(笑)は、今年5月に6回にわたって書いてきた。ご覧になった方はご存じかと思うが、「異業種交流会」と「業界の交流会」、「セミナー」、「講演会」、「ネットワークビジネス」などが、いかに嫌いなのかを書きまくった。

あっ、そういえば「月収○○○万円をめざす」とtwitterのプロフィールに書いているライターも嫌いだった(笑)。にもかかわらず、私をフォローしたり、私のツイートに「いいね」をしたりする「月収○○○万円をめざす」ライターがいるのが笑える。ブログまで読めってぇの。

「嫌い」について書いていて、私自身が気がついたことがある。私が嫌いなのは、「美意識」を持っていない人なのだ、と。断っておくが、美意識は人それぞれ。だから、人によっては、私が言っていることの意味がさっぱり解らない人もいると思う。また、腹を立てる人もいるかもしれない。

これはあくまでも私の主観であり、理解してもらおうとは思っていないし、理解できるわけがないと思っている。「そんな風に考える人もいるんだぁ」ってな具合に、珍獣を眺めるスタンスと(笑)、広ーい心で読みすすめてほしい。

そもそも、「美意識」とは、「意識」とあるだけに、心というか、内面の部分を指す。つまり、どんな人に、ものに、ことに「美」を感じるかということである。

異業種交流会やセミナー、ネットワークビジネスに共通しているのは、カネだ。カネそのものは絶対に必要なものだし、善でも悪でもない。しかし、使う人によって善にもなるし、悪にもなる。

きっと、私の潜在意識の中に、カネは人の心を狂わせる、という思いがあるのだろう。だから、カネを追い求めている人に対して美しさを1ミリたりとも感じない。ソイツらが持っているクルマや服、時計には美しさを感じるけどね。

前にも書いたけど、本質はソイツ自身が面白い(美しい)かどうかってこと。昨日のブログで私は、「仕事は自己実現である」と書いた。もっと細かく書くと、私が撮った写真や書いた文章で多くの人の心を豊かにするのが私の仕事だと思っている。私が生きている意味もそこにある。

カネはそのオマケというか、バロメーターにすぎないのだ。今、私が貧乏ということは、まだまだ人々の心を豊かにできていないということ。マジでそう思っている。一方、オマケであるはずのカネが、カネ儲けが自己実現ということになると、寂しい人生としか私は言いようがない。私はカネもコネも学歴もない。「ボロは着てても心は錦」、「武士は食わねど高楊枝」の精神で毎日を生きている。

ここまで書くと、カネ持ってるヤツから「羨ましいんだろ」とか、「ひがんでんだろ」とか言われそうだな。そうだよ。羨ましいよ(笑)。でもなぁ、いくらカネを持っていても、これ見よがしに生活に必要のない高いモノは買わない。買うとしたら、もっと仕事に精が出せるように、機材かな。私がカメラやレンズを買いまくることがあったら「コイツ、儲かってんな」と思ってくれたまえ(笑)。

そんな私の考えは、女性に対しても同じで、「カネこそが幸せ♡」みたいな人は苦手だ。一緒に遊んだりするのは楽しいかもしれないが、深い話はできまい。

逆に、子育てや家事、仕事で、それこそ、なりふり構わず、髪の毛を振り乱しながら取り組んでいる人に魅力を感じてしまう。レンズを向けたくなる。しっかりとケアした顔や肌はたしかに美しい。が、刻まれたシワや荒れた手に美しさを感じる。

あ、念のために言っておくが、私はフケ専ではない(笑)。カネではない何かや自分のためではない何かに夢中になっている人が好きなのだ。

Iさん、お疲れ様でした。

f:id:nagoya-meshi:20200630003600j:image

取材でお世話になっているだけでなく、プライベートでもときどき食べに行っていた店の総料理長から、店を辞めるとの連絡があった。彼はグループ店のメニュー開発のみならず、店も任されていた。勤め人ではあるものの、これまで料理人として生きてきた彼の集大成のような店だった。

しかし、新型コロナウイルスの影響で売り上げが激減し、いくつかの店を閉めざるを得なくなった。その一つが彼の店だった。

「自分がやりたいと思うことと、会社がこれからやろうとしていることの、方向性のズレですよね」と、彼は寂しそうに語った。

勤め人といえども、総料理長ともなれば、給料もそこそこもらっているはずだ。会社の方針に従って、職務を全うすれば安定した生活だって送ることができる。奥さんや子供だっていることだろうし。

でも、彼は「自分がやりたいこと」を優先したのである。そこに私は共感した。私も家族のために働いているとは1ミリも思っていない。申し訳ないとは思っているが。すべては、オノレの自己実現のためだ。それが嫌で女房から三行半を突きつけられても仕方がない。そういう生き方しかできないんだから。

たしか、彼は私よりも4歳年下だったと思う。だから、47歳か……。私が38歳くらいのとき、ふと、新聞の求人広告を見て愕然とした。38歳の自分を雇ってくれる会社はどこにもなかったのだ。まず、年齢でハネられるのである。もう、サラリーマンには戻れないと実感した。

しかし、料理人の場合は異なる。腕さえあれば、年齢に関係なく食っていける。総料理長まで努めた彼の、料理人としてのステップアップとなると信じている。そして、またいつか美味しい料理を食べさせてほしいと願うばかりである。

Iさん、お疲れ様でした。一緒に行こうと約束していたラーメン、落ち着いたら食べに行きましょうね。私で役に立つことがありましたら、遠慮せずに言ってください。これからも応援します。

ジャケ写撮影。

f:id:nagoya-meshi:20200628225053j:plain
昨日は、ブログにも書いた演歌歌手さんのジャケ写撮影。SNSやブログへの掲載許可をいただいたので、名前も紹介させていただく。徳間ジャパンの奈良海津子(なら みつこ)さんだ。

ヘアメイクさんとご本人の2人だけと思いきや、着付けの先生と作曲家の先生も来られた。少し焦ったが、涼しい顔をして機材をセッティング。BGMは、ヘアメイクさんのiPhoneからBluetoothスピーカーに繋いで奈良海津子さんの曲を流してもらった。

撮影する前に、新曲のイメージを聞いて、表情やポーズを頭の中でイメージしながら照明を設営。もちろん、照明は、やわらかい面光源を左右から包み込んで女性らしさ、その人らしさを引き出す「メイク&フォト」と同じ“ツヤ肌”ライティング。

収録曲は演歌と歌謡曲。演歌はトップの画像のように着物姿。作曲科の先生に聞いたところ、曲調が少し寂しげとのことだったので、しっとりとしたイメージで撮影した。一方、歌謡曲は、明るい曲調ということだったので、↓こんな感じに。

f:id:nagoya-meshi:20200628224506j:plain

なぜ、赤いハイヒールを持っているか。曲名が「RED SHOES」だからだ(笑)。

いつものように、イイ表情が撮れたところで写真をカメラのモニターに映して、ご本人やヘアメイクさんたちに見せる。ワーッと歓声が上がるとともに、皆のテンションも上がる。で、私もノリノリになる、というループ(笑)。おかげでとても楽しく撮影することができた。

何よりも嬉しかったのは、私が撮影した写真を見たヘアメイクさんが「みっちゃん(奈良海津子さん)らしさが出てる!」とおしゃってくれたこと。彼女と海津子さんとは長いお付き合いのようで、そんなお言葉をいただけるのは、まことに光栄なことである。で、最後に皆で↓記念写真。

f:id:nagoya-meshi:20200628230156j:plain

あと、嬉しかったことがもう一つ。今回借りたスタジオのオーナーさんに挨拶をしたとき、「どこかでイベント、やってませんでしたか?」と訪ねられた。ここから『三洋堂書店 志段味店』は近い。ひょっとすると……と思い、「三洋堂書店でポスター、ご覧になったのですか?」と聞くと、案の定、その通りだった。有名になりすぎて、普通に街を歩けなくなったらどうしよう(←バカ・笑)。

料理の撮影も楽しいが、ポートレート撮影も楽しい。ジャケ写に限らず、また人を撮る仕事がしたいなぁ。って、7/25(土)には三洋堂書店で「メイク&フォト」があるし(←くどい・笑)、「メイク&フォト」の公式HPには、個人様向けにさまざまなプランも用意している。ってことで、お仕事のオファー、お待ちしています♡

もう、ドラマは始まっている。

カメラマンにとっていちばん嬉しいのは、撮った写真を評価されることでである。私はというと、技術やセンスではなく、キャラで売っているので(笑)、なかなか写真を褒められることはない。

しかし、少し前に嬉しいことがあった。私とメイクアドバイザーの山村えり子さんとのコラボ「メイク&フォト」のイベントから生まれたご縁で、新しい仕事が生まれたのである。

「メイク&フォト」にご参加いただいたお客様、Mさんから連絡をいただいたのは、今月の初め頃。何でも、知り合いのヘアメイクさんがカメラマンを探していると聞いて、私を推薦してくださったのだ。撮影内容はポートレート。しかも、被写体はプロの女性演歌歌手。ヘアメイクさんが探していたのは、CDのジャケ写を撮影してくれるカメラマンだったのだ。

演歌歌手さんは、いつも東京のスタジオでジャケ写を撮影しているのだが、コロナ禍の中で新幹線に乗っていくことに抵抗があり、名古屋で撮影しようということになったらしい。とはいえ、海のものとも山のものともわからないカメラマンを使うにはリスクも高い。

Mさんは、「メイク&フォト」で私が撮影したお気に入りの1枚をヘアメイクさんを通じて演歌歌手さんに送ったそうで、その写真を気に入ってくださったおかげで仕事をさせていただくことになったのだ。私のキャラは一切関係ない(笑)。

さて、以前にアナウンスした通り、7月の4連休の3日目にあたる25日(土)に名古屋市守山区にある『三洋堂書店 志段味店』2階スタジオにて、「三洋堂 夏の『メイク&フォト』イベント ~大人は敢えて盛らないナチュラルメイク~」が開催される。

昨日6月27日現在、残り5名。予約をしてくださった方から、「写真を撮られるのが苦手ですが、大丈夫でしょうか?」、「自分の顔が嫌いです」という問い合わせというか、相談も寄せられている。

ひょっとしたら、そんなコンプレックスが原因で参加するのを躊躇されている方もいらっしゃるかもしれないから、この際、ハッキリ言っておこう。心配する必要はない、と。何度も書いているが、山村えり子流の「マイナス7歳若見えメイク」も、私の「ツヤ肌フォト」も、その人らしさを引き出すためのものなのである。だから、安心して任せてほしい。

「メイク&フォト」の予約開始とともにドラマはもう始まっている。今はまだ無名ゆえに、私やえり子さんが集客に奔走せねばならない。が、参加されたお客様の口コミやSNSの発信によって、新しいお客様が生まれる日が必ず来ると信じている。興味のある方は是非ご参加ください!

 

※写真は「メイク&フォト」公式HPのトップ画像に選んだ一枚。透明感のある「ツヤ肌」に注目!

泥くさい人間関係。

f:id:nagoya-meshi:20200626170018j:plain

「同世代の人と語り合う月間」番外編。番外編としたのは、同世代ではなくかなり年下だったから。この日は、テレビにもよく出てらっしゃる某料理研究家さん(女性)と語り合った。いや、正しくは、昨年度、一緒にすすめていた仕事がひと段落したので、その打ち上げ。今年4月を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で今月となったのだ。

ちなみに一緒に進めていた仕事とはこれ。愛知県・幸田町の消防本部がつくった「愛知・幸田の消防カレー」。詳しくは↓下記の記事を。って、記事を読んだら誰と行ったのかバレバレじゃん(笑)。

lifemagazine.yahoo.co.jp

彼女がレシピを考案し、私が「火事場のチカラメシ。」というキャッチコピーとポスターの写真撮影を担当させていただいたのである。

f:id:nagoya-meshi:20200626172526j:plain
店は私がセレクトした。名古屋・栄4丁目の『shiosai(しおさい)』。ここは熟成肉のハンバーグが美味しくて、女性月刊誌『STORY』の取材でお世話になった。

shiosai.favy.jp

彼女とはこれまでに何度か一緒に仕事をさせていただいた。が、ゆっくりと話すのは初めてだった。今は飲食店のメニュー開発やプロデュース、レシピ考案に限らず、グルメによる地域活性化など大活躍の彼女だが、もともと、肉や魚、野菜など全国の生産者と飲食店を繋ぐ仕事をしていたという。

「食材を提案するにあたって、具体的にどんな料理に使うことができるのかを聞かれたんですよ。料理の経験もあまりないのに、作ってましたね。店を開いたときにテレビの取材があって、それが縁となってテレビに出させていただくようになりました」とか。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたとき、彼女は自分でカメラを回して動画を撮影し、自ら動画編集ソフトを使って編集をしてYouTuberデビューを果たした。リモートワークやオンライン会議が当たり前になる時代を見越して、自分に何が出来るのかを考えてのことだろうと思う。

もう、世間的な成功を絵に描いたようなイメージを彼女に抱いた。しかし、

「いちばん大切にしているのは、生産者さんの食材に対する思いに応えること」と、語った。私が美味しい料理を作る人々をリスペクトしているのと同様に、彼女が手がける仕事の根底には、それがあったのだ。
しかも、彼女はブログを元旦を除いて5年間も毎日欠かさず更新していたという。何とストイックなんだろう。やはり、コツコツと続けていたからこそ、今の彼女があるのだ。

仕事をスマートに、サクサクッとこなしているように見えて、泥くさい。実に、泥くさいのである。なぜか、私の周りには男女問わずそういう人が多い。それは私が泥くさいどころか、それを通り越してヘドロくさいからだろう(笑)。

泥くさい人間関係というのは今どき面倒くさがられるだろうが、これが「ビジネス」ではなく、「仕事」、というヤツだ。私はそう思っている。


※写真は、名古屋・栄4丁目『shiosai』のコースで出されたパスタ。