永谷正樹のなごやめし生活

「なごやめし」について書き綴ります。

「なごやめし」という表記にした私の思い

私は名古屋市の隣町に住んでいる。県外の人、とくに東京の人から住んでいる場所を聞かれると、「名古屋です」と答えている。レッキとした住所詐称である。名古屋市外在住の方でそんな方も多いのではないだろうか。

少しでも都会に住んでいると思われたい、そんなイヤラシイ気持ちがないと言えばウソになる(笑)。それよりも土地勘のない相手に○○市や○○町と言ったところで通じないと思っているのだ。

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さて、今日はこのブログのタイトルにも使っている「なごやめし」という表記について書こうと思う。

全部ひらがなの「なごやめし」のほかに全部漢字の「名古屋飯」、全部カタカナの「ナゴヤメシ」もあれば、カタカナ+ひらがなの「ナゴヤめし」と「なごやメシ」、漢字+カタカナの「名古屋メシ」と「ナゴヤ飯」、漢字+ひらがなの「名古屋めし」と「なごや飯」と、表記の方法はさまざま。

私は長らく雑誌の仕事で「名古屋めし」と書いてきた。いや、今でもそう書くことが多い。雑誌で紹介した店はすべて名古屋市内にあるからである。「名古屋」と書くと、地名に限定されてしまうのだ。しかし、名古屋市外でも味噌かつやひつまぶし、きしめんなどを出す店もある。それらは「なごやめし」ではないのかというと、そうではない。

名古屋市内の飲食店で出される料理しか「なごやめし」として認めない、というのは実に了見が狭い。東京だろうが、大阪だろうが、海外だろうが、それが「なごやめし」であるならば認めるくらいの心の広さを持たなければ、名古屋の未来は暗い。だから、ひらがな表記の「なごや」とすることで地域色が薄まるのではないかと考えたのである。

「『なごやめし』とは何か?1」でも書いたとおり、「なごやめし」という言葉を最初に使ったのは、『ZETTON』の稲本健一社長である。当時、イタリア料理のことを「イタメシ」と呼んでいたのがヒントになったらしい。

「イタメシ」も「イタめし」、「イタ飯」という表記方法があるが、どれが正しいのだろうか?試しに「イタメシ」でググってみると、約13,400,000件がヒットした。同じように「イタめし」は約284,000件。「イタ飯」は約262,000件。ということは、一般的に「イタメシ」という表記が多く使われているということだ。まぁ、一概には言えないが。

「なごやめし」を「イタメシ」に倣うのであれば、「名古屋メシ」という表記方法が正しいということになる。しかし、文章を生業としている私からすれば、カタカナ表記の「メシ」は、固くて冷たいイメージがするのだ。さすがに食べ物でそれはマズイ。だからひらがな表記の「めし」にしたというわけだ。

ちなみに「なごやめし」をググると、約6320,000件。「名古屋めし」は約1180,000件。おそらく、これ愛知県と名古屋市名古屋商工会議所、愛知県観光協会、名古屋観光コンベンションビューローが設立した「なごやめし普及促進協議会」(画像)の影響が大きいと思う。なぜ、ひらがな表記にしたのかは知らないが。

また、私は台湾まぜそばのように、従来の「なごやめし」をアレンジした「新なごやめし」という言葉も使ってきた。もちろん、今までにない新しいタイプという意味もあるが、「新世代」の「新」であってほしいという願いを込めて、そう呼ぶことにした。

しかし、ただ単に「なごやめし」人気にあやかって、にわか仕込みでアレンジしたものは必然的に淘汰されていくだろう。発祥の店のみならず、周囲の店がそれをオマージュし、客も親から子へ、子から孫へと世代ごとに受け継がれていくことを切に願う。