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永谷正樹のなごやめし生活

「なごやめし」について書き綴ります。

あんかけスパにも手作りの温かみを

あんかけスパ

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ピリ辛でとろみのあるソースで食す、あんかけスパ。生まれて初めて食べたのは、今から30年ほど前、高校生のときだった。しかも、『ヨコイ』や『そーれ』ではない。大須・万松寺通商店街入り口の近くにあった『むぎっこ』(店名はカタカナだったのかアルファベットだったのかもよく覚えていない)という店だった。今はOSU301ビルになっている。

「ミラネーズ」や「ピカタ」、「カントリー」という聞き慣れないメニュー名に戸惑いながらも、何だか大人になったような気がした。いちばん驚いたのは、やはり未体験の味。やたらとコショウ辛くて、食べ終わる頃には額にじんわりと汗をかいた。たしか、量もスモールとレギュラー、ジャンボから選べたと思う。腹ペコのときはジャンボを食べた。お腹が一杯になった。しかも、昼に食べたら夜までお腹が空かない。その腹持ちの良さに驚いた。

高校時代には名古屋駅前の第5堀内ビルにある『チャオ』にも行った。ここではあんかけスパよりも今はメニューにないカルボナーラをよく食べた。今思うと、卵が固まっていて、炒飯のような、とてもカルボナーラとは呼べないシロモノだった(笑)。でも、本物のカルボナーラを食べたことがなかったので、こんなものかと思った。

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社会人となり、職場が錦にあったので『ヨコイ』の錦店に行くようになった。『むぎっこ』よりもトマトの酸味があり、辛さも強く感じた。私には合わないと思ったが、不思議なことに2週間も経つと、また食べたくなった。ほかの店のあんかけスパも気になり、『そーれ』や『ユウゼン』、『コモ』にも足を運んだ。

当時は店が少なく、あんかけスパは栄か名駅へ行かないと食べられなくなった。あんかけスパの専門店が増えたのは7,8年前くらいからだろうか。今ではショッピングモールのフードコートにも出店しているほか、喫茶店でも食べられるほど身近になった。喫茶店の場合は、レトルトのソースのレベルが高くなったという点だろう。もっとも、きちんとソースを仕込んでいる店もあるだろうが。

それと、もう一つ。調理器具の進歩だ。ショッピングモールのフードコートにある専門店で調理するところを見て驚いた。茹で置きした麺を調理器具に放り込んでいたのだ。高校時代、ケンタッキーフライドチキンでアルバイトしていたことがあったので、その調理器具がフライヤーであることはすぐにわかった。タイマーをセットすると、自動で油から網が上がる仕組みだ。これならアルバイトでも簡単に調理ができる。専門店も増えるわけである。

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一方、『ヨコイ』ではシェフが大きなフライパンを一生懸命振っていた。錦店はオープンキッチンになっていたので、いつもその姿を見ながら料理を待っていた。『ヨコイ』は今でも麺はフライパンで炒めている。たしか『そーれ』もそうだったと記憶している。

フライヤーは読んで字のごとく、炒めるのではなく揚げるものである。当然のことながら、フライヤーで揚げた麺とフライパンで炒めた麺とでは味は異なる。もちろん、私はフライパン派である。フライヤーを使っている店で食べたあんかけスパは麺の温度にバラツキを感じたことがあったのだ。ただ単に温度や時間を間違えたのかもしれないが、そう感じたのは1度や2度ではない。

それと、「ブー」というタイマー音とともに網が上がる様も興ざめしてしまう。多くの専門店があるなかで、今でも『ヨコイ』や『そーれ』など古参の店が支持されるのは、手作りの温かみを感じるからだろう。