永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

なぜ、撮るのか。

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「なぜ、撮るのか」

ずっと自問自答している。

食っていくために、撮る。

もちろん、それは否定できない。

オノレが撮った写真でお金をいただくわけだから、どうしたらもっとキレイに撮れるのかを常に考えている。

ときには、仕事場で照明機材を広げて、テストを繰り返したりもする。

また、機材や道具がそれを助けてくれると思ったら、躊躇なく買う。

こんな程度のことは、プロと名乗る者であれば誰でもやっていること思う。

食っていくために、撮る。

それは間違いではないが、すべてではない。

なぜなら、1円にもならないのにオノレの「撮りたい」という気持ちのままにシャッターを切るからだ。そこにプロ、アマは関係なく、カメラマンの数だけその動機があると言っていいだろう。

私の場合、心が動いてシャッターを押したくなる瞬間は主に二つ。

一つは「記録」としての写真。

オノレがこだわっている人や場所、物を、オノレの視点で記録に残す作業である。子供の成長記録や定点観測的にこだわりのある場所で撮影するのもこれに当たる。

そして、残り一つは、「欲望」を満たすための写真。

もしも、それが卑猥に聞こえるのであれば、「生きていく」ための写真と言い換えてもよい。逆にそれがなかったら、生きている意味がなく、私の人生はクソつまらないものになっているに違いない。

以前にブログで「ファインダーを覗いているときは『生きている』実感に満ち溢れている」と書いた通り。もっと言うと、ファインダーから見える光景の、この瞬間は、誰のものでもなく自分だけのものなのだ!と思うのである。この気持ちはなかなか理解してもらえないかもしれない。

「なぜ、撮るのか」

ずっと自問自答している。