永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ネット時代におけるカメラマンのあり方

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「カメラマン」とひと口に言っても、広告や写真館、報道とジャンルが分かれていて、同じカメラマンでもまったく仕事のスタイルが異なる。

これは私が勝手に考えていることかもしれないが、もっともステイタスなのは広告カメラマンだろう。何しろ、そのカメラマンが撮った、たった1枚の写真がクライアントの歴史に刻まれるのだから。

その次は写真館。七五三や成人式、結婚式など人生の節目に撮影した1枚の写真は、その人の、その家族の宝物になる。ゆえに写真館のカメラマンの仕事はとても重要なのである。では、ピラミッドの最下層に位置するのは、私のような報道・メディア系のカメラマンだろう。なぜなら、苦労して撮った写真が掲載された雑誌は週刊誌の場合、一週間しか人の目に触れないのである。新聞にいたってはわずか一日。しかも、雑誌や新聞を後生大事にとっておく人も少ない。読み捨てられるのだ。

決して私自身の仕事をディスっているわけではない。クライアントの意向が第一の広告カメラマンも、他人様の幸福を残す写真館のカメラマンも、私にはムリなのだ。ただ、それだけ。

その点、報道・メディア系のカメラマンが撮影した、たった1枚の写真をきっかけに時の権力者や国の指導者が辞任に追い込まれることもあるのも事実。カッコイイ言い方をすると、儚いからこそ、輝きを放っているのである───。そんな話を同業者に話すと、

「広告も、写真館も、報道も目クソ鼻クソじゃ!」と、言われた。ハイ、その通りだと思います(笑)。

さて、ここからが本題。昨年あたりから、紙媒体の仕事とネット媒体の仕事の比率が逆転している。ネット媒体の場合、電子版の週刊誌などは別として、閲覧するのは無料の上、常に新しい情報が求められるため、数時間単位でどんどん流れていってしまう。もう、読み捨てどころではない。

このような状況で、どのような写真を撮り、文章を書くのか。それを模索しているが、その答えはまだ出ていない。