永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

私の取材方法。2

f:id:nagoya-meshi:20190527194923j:plain

「私の取材方法。1」の続きです。

さて、先日、このブログと私のFacebookに仕事の写真を載せた。

「こんなお仕事のオファーをお待ちしております」とのメッセージを添えて。

すると、Facebookのメッセンジャーで取材したことのある某有名店のシェフから早速仕事の依頼があったのである。何でも、新たに店を出されるそうで、そこのメニュー写真を撮ってほしいとのことだった。しかも、大至急。

スケジュールを確認……というか、このオファーは何が何でも受けねばならないと思い、「都合の良い日時で大丈夫です」と返信した。

シェフから指定された撮影日はオファーがあった翌日。撮影内容やギャラの相談をメッセンジャーでやりとりする中で、

「撮影をこちらからお願いするのであれば、是非永谷さんに!と思っておりました。明日、そしてこれからもよろしくお願い致します」とのメッセージをいただいた。

涙が出た。有名なお店なので、これまで数え切れないほど多くのカメラマンが写真を撮りに来ただろう。にもかかわらず、私を選んでくださったのである。それも、私が取材で訪れたのは2年も前。しかも、たった1度だけ。忘れてしまうのが普通だ。

「私の取材方法。1」で書いたが、私は自身の知的好奇心を満たすために、取材なのか世間話なのかよくわからない話をネホリハホリと聞いているにすぎない。しかし、そのたった1度の取材で取材する側とされる側という関係を超えた関係が生まれたのである。そう思うと、嬉しくて、嬉しくて泣けてきた。

雑誌やwebに掲載された私の記事を読んだ方に豊かな気持ちになっていただくことが私の使命であり、仕事にやり甲斐を感じる部分でもある。同時に取材で出会った人々と、同じモノを作る者として互いに刺激し合うこともやり甲斐を感じている。だから、この仕事はやめられないのだ。