永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

成功ってナンだ!?

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先日、「私の仕事論」の講義を行った関西大学の学生から追加の質問が亀松さんを通して送られてきた。その一つが実に興味深かった。それは、

フリーランスになる際、その道で成功するための情報はどこから入手しましたか?」

というもの。

これ……。ツッコミどころ、いや、詳しく聞いてみたい点が多々ある。まずはこの質問そのものが、私=成功者という観点で行われているという点だ(笑)。いや、成功してないから(笑)!!っていうか、成功とは何をもって成功というんだろう。考え込んでしまったじゃないか。

おそらく、お金持ちになることだろう。わかりやすく例えるなら、雑誌の通販広告の幸福になるネックレスやブレスレットに出てくる、札束を片手に女性をハベらせているイケてない男性モデルだ(笑)。あれはまさに成功者(笑)。

まぁ、それは冗談として、一代で財をなしたような経営者のサクセスストーリーをありがたく聞きたがる人もいる。実際、そんなセミナーや講演会は、そこら中で開催されていて、どこも大盛況のようだ。

たしかに裸一貫から巨万の富を得たような経営者は素直にスゴイと思う。しかし、自分がそんな経営者になれるかというと、甚だ疑問である。生まれた時期や環境もまったく違うし。

では、その経営者の取り組んできたことを余すことなく、すべてやればどうだろう?ある程度は稼げるかもしれない。しかし、所詮は二番煎じである。その経営者を超えることはできないだろう。

そもそも、講演会やセミナーで話す経営者は、明らかに一般人とかけ離れた「異端の人」なのである。市井の人が異端の人になれるはずがない。人としての、根っこの部分がまったく違うのだ。それを理解すべきだ。

成功者による講演会やセミナーは、高校時代に観た映画『ビーバップハイスクール』と同じだ。観ただけで何だか強くなったような気になるように、講演会で話を聞いただけでデキる人になった気分になる。それが心地良いのである。

ついでに言うと、異業種交流会の類いも同じ。参加したところで、名刺の数とFacebookの友達が増えるだけだ。くだらねぇ。そこに喜びを感じるのであれば、ガンガンに参加すればよい。私は絶対に参加しないけど。

さて、私はその質問にこう答えた─────。

成功する情報なんてありません。あったとしても、所詮は成功した人の二番煎じ。何の参考にもなりません。だから、成功した起業家の講演やセミナーは大嫌いです。そもそも、成功することなんてめざしていません。」

私は、好きなことをやって自由に生きたいだけなのだ。