京都出張の際、行きか帰りに時間があるときは、
八坂神社の近くにある「大谷祖廟」へ必ず足を運ぶ。
「大谷祖廟」は、親鸞聖人の墓所であり、
父と母の遺骨を納めた場所でもある。
だから、父と母に会いに行って、近況などを報告するのである。
悩んでいるときや、心がモヤモヤしたときに行くと、
必ず善い方向へ導いてくれるような気がするのだ。
で、今日も京都出張の帰りに寄ってきた。
心を落ち着かせて、焼香して手を合わせると、
瞼の裏に元気だった頃の父と母の姿が浮かんでくる。
2人ともおだやかな表情で微笑んでいる。
「今のオレは、親父とお袋が喜ぶような生き方をしているのだろうか?」
そう問いかけても返事はなく、ただ微笑んでいる。
父と母は、私がカメラマンになることも、
会社を辞めてフリーになることも、反対しなかった。
むしろ、応援してくれた。
フリーになってから、忙しく仕事をしている姿を見て喜んでくれた。
合掌しながら、ふと、そんなことを思い出した。
「大谷祖廟」へ来ると、気持ちがリセットされる。
私にとって大切な場所なのである。