年をとるにつれてこれでも柔軟になったと思っているが、
昔も今も道理に合わないことをどうしても認めることができない。
多くの人から「お前はまだ青い」と何度言われたことか。
道理に合わないことを無理してやるのが大人だとしたら、
そんな大人にはなりたくないと思ったし、今もその考えは変わらない。
クソくらえ!とさえ思う。
とくに、モノを創る仕事において、
自分を偽って、その仕事をやり遂げたとしても、
はたしてカネをもらうこと以外に何を得るのだろうか。
そりゃカネはほしい。喉から手が出るほどほしい。
もっとカネを儲けて、もっとイイ家に住みたい。
もっとイイ車に乗りたい。もっとイイ服を着たい。
それもまた、偽らざる気持ち。
でも、カネほしさに自分を偽ることは、私にとって死に値する。
イイ家よりも、イイ車よりも、イイ服よりも、
私はもっとイイ仕事がしたい。
仕事を発注した人も、私が撮った写真や書いた文章を見た人も
皆が喜び、幸せになる仕事がしたい。