永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

デキる編集者。

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ブログの読者様はご存じの通り、私は文章を書くのが苦手である。そのため、〆切日よりも早く編集担当に送ることを心がけている。仮に編集者からダメ出しされても書き直す時間を確保するためである。とはいえ、この仕事を20年以上やってきて、書き直したことは数えるくらいしかない。

そんな中、先日送った原稿が編集担当からメールで書き直しを指示された。実は私も書きながら、これでよいのか?という迷いがあった。しかし、読者にわかりやすく伝えることを第一に考えて、このままいこうという結論に達したのだった。

編集担当のメールには、私が迷っていた部分について的確なアドバイスも書かれていた。さらに電話で話すと、編集担当の考えがより理解できた。正直、助かった。同時に、やはり、雑誌は現場のライター、カメラマンと編集者で作り上げるものであると今さらながら実感した。

原稿の書き直しは、ほぼ丸一日かかった。しかし、最初に送った原稿よりも読みやすく、そして面白くなったと思う。だから、書き直しに要した時間はまったく無駄だとは思わない。むしろ、編集者からヒントをもらって問題を解いているような感覚になり、私にとっては珍しく(?)楽しく原稿が書けた。

さらに嬉しかったのは、原稿を送ってから、編集担当から「さらによくなりました!」とメールをもらったこと。迷いながら書いた原稿はツマラナイに決まっているのに「さらに」って。五十路になっても褒められたり、認められたりするのがウレシイのである。おそらく、ライターやカメラマンは皆そうだと思う。

きちんと原稿を読んでくれる。きちんと写真を見てくれる。当たり前のことかもしれないが、それがありがたい。世の中には、私の書いたものや撮ったものではなく、それ以外の部分で私を評価する人がいる。例えば、名古屋めしの専門家としてテレビに出たことや大学で非常勤講師だったこと、ブログランキングで1位をキープしていること。

たしかにそれはありがたいことではあるが、私にとってはオマケの部分にすぎない。正直、どうでもいい。テレビに出るのも、大学で講義をするのも、ブログランキング1位なのも、まず、私の文章や写真があってのものではないか。それを面白いとかツマラナイとか、まったく評価してくれない人と一緒に仕事することはできない。