永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

女房の写真。

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手元にカメラがあり、目の前に女房がいると、つい、反射的に写真を撮ってしまう。結婚してから、いや、結婚する前からずっとそんな感じだから、もはや習慣化していると言ってもよい。

女房の写真。いわば、極私的写真である。が、第三者に見せると、それは作品となるのではないか。そんな思いから、ときどきFacebookに友達限定で公開している。そんなときは珍しく(?)女性から「いいね!」が沢山もらえる。

「なぜ、撮るのか?」と、よく聞かれる。「手元にカメラがあって、目の前に女房がいたから」と答えている。Facebookで公開すると、見た方から「愛だわ~!!」みたいなコメントをいただくこともある。

たしかに愛がなければ写真なんて撮らない。でも、それだけではない。レンズを向けるということは、私にとって女房という存在は、何かしらのこだわりがあるのだと思う。現時点ではうまく説明することができないが。「なぜ、撮るのか?」の答えを見出すために撮っているのかもしれない。 

「奥さん、よく嫌がらないね」という話もよく耳にする。カチッとメイクした顔ならまだしも、スッピンだろうが構わずに撮るから、きっと嫌だろうと思う。「フォトハラスメントだ!」なんて女房に訴えられて裁判になったら……負けるだろうな、きっと。

でも、撮らせてくれる。今のところは。カメラマンの女房であることを自覚しているからなのか、それとも、撮らせないと私がうるさいからなのかは直接聞いたことがないから、よくわからない。撮らせてくれるのだったら、どちらだろうが構わない。

トップの写真は、Facebookでとくに評判が良かった一枚であるが、公開してから

「私もあんな風に撮ってもらいたい!」と多くの方に言われた。きっと、社交辞令だろうが、結論から言えば無理である。女房とは25年も一緒に暮らしているのである。その時間がそのままカメラと被写体の距離感になるからだ。本当に同じ写真を撮ってもらいたいのであれば、覚悟(?)が必要だ。

女房は絶対に反対するだろうが、結婚する前から現在までずっと撮影してきた写真で写真展をやりたい。写真としては何の面白みもないかもしれないが、一人の女性、それも写し手の女房の記録写真としてであれば、十分に成立するような気がするのだ。まぁ、絶対に反対されるけど。