永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

亡き娘への手紙。

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みどりちゃんへ。

今年もこの日がやってきました。不思議なことに毎年10月5日は、直前にどれだけ忙しくても、この日だけはぽっかりとスケジュールが空くのです。きっと、みどりちゃんもお父さんに会いたいと導いてくれているのだと思い、毎年驚きながらも感謝しています。

今でもみどりちゃんのことをよく思い浮かべます。きっと、永谷のおじいちゃんとおばあちゃん、知多のおじいちゃんとおばあちゃん、明美おばちゃんに可愛がってもらっているだろうなって。皆、子供が大好きだから、きっとみどりちゃんも寂しくはないだろうと思っています。

あれから17年が経ちました。お兄ちゃんたちは2人とも大学生になりました。みどりちゃんが生きていたら、高校生ですね。友達と遊んだり、恋をしたり、人生でいちばん楽しい時間を過ごしていたかもしれません。

その反面、思春期を迎えて、いろんなことで悩み、苦しみながらもこれからの生き方の指標とするものと出会う時期でもあります。

でも、みどりちゃんはそれらを経験することなく、一足跳びに人生を駆け抜けていきました。お父さんとお母さんはとても寂しかったけど、この世の人生という学校を優秀な成績で卒業したのだと思っています。

と、同時に、みどりちゃんは短い生涯を終えると自分でわかっていても、お父さんとお母さんを選んでくれたことを私たちは生涯忘れないし、感謝しています。そんな気持ちで「みどり」という名前をお父さんの正樹、お兄ちゃんの大樹、和樹の「樹」から新緑をイメージしてお父さんが名付けました。

みどりちゃんと違って、お父さんとお母さんは出来が悪いので、なかなか人生学校を卒業させてもらえませんが、いつか必ず会える日が来ると信じています。そのときは、お兄ちゃんたちの幼い頃にしていたように、思いきりみどりちゃんを抱きしめます。それを楽しみにしています。

みどりちゃん、これからもお父さんとお母さん、お兄ちゃんたちを見守っていてね。

これまで10月5日は平日ばかりでした。お母さんは仕事があるので、いつもお父さんしか会いに行けませんでした。お母さんと話し合って、一緒に行った方がみどりちゃんも喜ぶだろうと、今年はお母さんの仕事が休みの10月6日の日曜日に行くことにしました。一日遅れになってしまったけど、待っていてね。

お父さんより。