永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

脳内薬物中毒患者。

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以前、私は原稿を書き上げたときの達成感について書いたことがあった。達成感を味わいたいから書いている私は、もしかしたらドMなんじゃないかと(笑)。とりあえず、その疑惑は置いといて、一つ気がついたことがある。

原稿を書きまくったり、写真を撮りまくった日は、なかなか眠れないのだ。身体はクタクタなのに、脳は覚醒している、みたいな。これはきっと、アドレナリンがドバドバと出ているからだろう。

原稿を書くときも、写真を撮るときも、テンションを上げる。おそらく、誰でもここ一番!というときにはそんな心境になると思う。だから、原稿を書いているときは、ライターズ・ハイともいうべきトランス状態になって、文字を紡いでいく。シラフでは浮かんでこないようなフレーズがポンポン出てくる……てなことはあまりないけど(笑)。

撮影中もアドレナリンがドバドバ。前にも書いたと思うが、レンズを向ける風景や人、物などファインダー越しに見える世界がすべて自分のものと錯覚してしまう。もう、文字面だけ見ると、立派な変態じゃないか(笑)。

マジな話をひとつ。まだフリーになる前、22歳くらい頃だったと思う。当時、広告制作会社で働いていて、巨大な鉄の板が積み上げられている工場だか倉庫だかの撮影をしたときのこと。地上からカメラを構えると、工場の全景は撮れないってことで、鉄の板を運ぶ工場内のクレーンの上から撮影することになった。

高さは10メートル以上あったと思う。そこには小さなハシゴを使って登っていくのだが、命綱はなし。高所恐怖症の私はとてもできないと思った。が、バイクのハンドルを握ると豹変する『こち亀』の本田みたいにカメラを持つと強くなるのである(笑)。

カメラをたすき掛けにしてハシゴをよじ登り、無事にバシーッとキメたのだった。それもフォトグラファーズ・ハイのおかげである。でも、今、同じことをやれと言われてもできないだろうなぁ。

私の場合、撮影と執筆、取材まで全部やるので、ハイになりっぱなし(笑)。っていうか、脳内薬物中毒患者だ。ヤバイ人みたいじゃん(笑)。