永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

チャーラーの旅。30

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「チャーラーの旅。」のブログ記事を書くためにいろんな店を巡る中で、昔ながらの町中華よりも中国人が経営する、いわゆる「大陸系中華」の方が多いことに気がついた。

そのタイミングで大陸系中華のルーツを解き明かすキーパーソンからメールをいただき、私の中ですべての謎が解けた。それを企画書にまとめて『メシ通』編集部に提案したところ、取材のゴーサインが出た。で、先月13日に記事が公開された。

www.hotpepper.jp

おそらく、名古屋のライターで大陸系中華のルーツに迫ったのは私が初めてだと思う。私自身、とても手応えを感じながら仕事をすることができた。

正直、取材する前は大陸系中華をひと括りにして捉えていたところがあった。しかし、大陸系中華は日本の町中華と、日本人と中国人の料理人によって生まれたことを知り(詳しくは記事をご覧ください)、そこに思いを馳せるとき、これまでとまったく違った感情が生まれたのである。

このブログでは、過去に掲載した店を再び紹介することはあまりしていない。が、その価値があると判断した店はこれからもどんどん紹介しようと思っている。それが9月12日に紹介した小牧市藤島町にある大陸系中華『中国料理 吉祥 梵天店』だ。

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ふと、大陸系中華のチャーラーは、醤油ラーメンよりも台湾ラーメン推しなのかもしれないと思ったのがきっかけだった。で、それを検証しようと考えたとき、真っ先に浮かんだのがこの店だった。自宅から近いこともあるが、何よりもここは醤油ラーメンが美味しかった。だから、台湾ラーメンも旨いだろうと。

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これが「麺・飯セット」の台湾ラーメンと炒飯。いつもここはラーメンと炒飯が同時に出てくる。そういえば、大陸系中華ではほとんどそうかもしれない。これ、かなり重要なポイントだと思う。炒飯またはラーメンを半分くらい食べ終わったところでもう一品出てくるとガッカリするもんな。

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まずは炒飯から。うん、相変わらず旨い。前回は若干の炒めすぎ感があったが、今回は完璧な出来映え。味付けも濃すぎず、薄すぎず、ちょどよい。醤油がほのかに香る感じではなく、味付けは塩とコショウがベース。これも大陸系中華に多いタイプだな。

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で、これが台湾ラーメン。大きめの台湾ミンチが印象的。まずはスープをひと口。うん、後味が少しピリッとする程度でそんなに辛くない。辛さよりもニンニクの風味と台湾ミンチから染み出した肉の旨みがしっかり。辛党の人はもの足りなさを感じるだろうけど、私はこっちのほうが好きだなぁ。

炒飯との相性はどうだろうか。麺をすすり、スープを飲んでからチャーハンを食べてみると、これがまた旨い。先ほど書いたように、炒飯に醤油の味や香りがついていたら、しつこく感じてしまうだろう。塩とコショウがベースだからこそ、台湾ラーメンとの相性も良いのだ。

写真を撮るのを忘れてしまったが、チャーラーを含むランチにはセルフサービスでソフトドリンク1杯が付く。そんなサービスも嬉しい。