永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

取材の、醍醐味。

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取材先でウレシイことがあった。

取材の途中で話が何度も脱線し、ときには悩み事相談になってしまったものの、1時間半ほどしっかりと話を聞き、頭の中で記事の構成も何となく出来上がった。

「だいたい、これくらいお話を聞けば記事は書けますので」と、私。

取材相手は、

「えっ! フツーに話していただけじゃないですか!?」と、驚いた顔をしていた。

自分で言うのもアレだが(照)、これってスゴくない(笑)?

「フツーに話していた」ということは、リラックスして話ができたということだろう。

つまり、聞き手である私が話を引き出すことができたのである。

プロとして当たり前っちゃぁ当たり前。でも、ウレシイ。

「ホンネを引き出す取材術」というタイトルで講演やセミナーでもやってみようか。商売っ気を出してみたが、私もホンネを引き出そうと意識して取材しているわけではなく、フツーに話しているだけなので取材術でも何でもない。だから人に教えようがない(笑)。

写真を撮ることと同じくらい取材するのが好き。それもあって、私は自らを“取材屋”と名乗っている。だから、取材こそがメインの業務なのだ。

取材とは、その人の人生を覗き見る行為だと思っている。ときには一緒に笑って、泣いて、怒る。山もなく、谷もなく平凡な人生しか送っていない私であるが、その人が主演を務める人生ドラマの脚本家になったような気分が味わえる。それが取材の醍醐味だ。年の瀬にあらためて気がついた。