永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

同調圧力。

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新型コロナウイルスによる感染拡大が止まらない。東京では毎日100人単位で感染者が増えている。まさに国難ともいうべき非常時である。それは戦時下と同じで、違うのは降り注ぐのが爆弾ではなく、ウイルスということ。

目に見えない上に治療法も確立されていないから、不安や恐怖を抱いてしまう。さらには、そこから嫌悪や差別が生まれる。実際、毎日ウイルスと戦っている医療従事者が差別されているという報道も目にした。

また、感染拡大を理由に休業するという苦渋の決断をした飲食店もある。その一方で、従業員の生活を守るために、テナント料や水道光熱費などの固定費を払うために営業を続けざるを得ない飲食店もある。

それぞれが、それぞれの理由があって、それもギリギリの状態の中で決断しているわけで、それに対して誰も何も言えないはずだ。にもかかわらず、店を開けていることを批判されたという話をFacebookで目にしたのだ。ちなみに私が住んでいる愛知県は東京や大阪への移動自粛の要請は出ているが、外出自粛は出ていない。

すごく怖いと思った。どんな言い方をされたのかは書かれていなかったが、要するに「閉めている店もあるのに、お前のところは何なんだ」と同調圧力をかけているということだ。本人は意識していないだろうが。たしかに、今が非常時であることは間違いない。でも、非常時だから、休業している店もあるからそれに倣えというのは、暴論以外の何物でもない。

極論を言えば、食料など生活必需品を扱う店や電気や水道、ガスなどライフラインにかかわる仕事しかやってはいけないことになる。店を開けていることを批判してる人は、それを望んでいるのだろうか。

明らかに戦う相手が間違っている。いや、戦う必要もない。過ぎ去るのをただ待っていればよいのだ。自粛ムードの中でストレスが溜まり、イライラの矛先をどこかにぶつけたくなる気持ちも理解できる。綺麗事でも何でもなく、こんなときだからこそ、人を思いやる人でありたい。

そもそも、私のような雑文書きこそ、非常時に関係なく、あってもなくてもよい職業だと思っている。東日本大震災のときも、グルメ記事なんて書いていてよいのかと思った。しかし、私にはこの生き方しか知らないし、できないから仕方がない。だから、誰に何を言われようが、今日、地球が滅亡するとしても、私は雑文を書く。