永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

リモート講義。

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毎年、この時季と秋の年2回、関西大学総合情報学科でゲスト講師として講義を行う。編集者の亀松太郎さんが講師を務めていることから、ご縁が生まれた。

私が担当するのは、スマホカメラの撮影講座と、『永谷正樹、という仕事。』というテーマで私の半生を語るという(笑)2コマ。

スマホカメラはともかくとして、私の、平凡でつまらない半生なんぞ聞いていて何か役に立つことなんてあるのか!?と思っている。でも、何度もオファーをいただけるということは、少なくとも亀松さんは面白いと判断してくださったのだろう。

いつもなら、大阪・高槻にある高槻キャンパスに行って講義をする。新幹線で京都まで行って、在来線に乗り換えて高槻で下車。さらにバスで向かう。撮影の仕事ではないから、荷物も少なく、ちょっとした小旅行気分も楽しめるのである。

しかし、今やどの大学も新型コロナウイルスの影響で、オンライン講義になっている。関西大学も例外ではなく、今月の初めに亀松さんからオファーをいただいたときにそれを告げられた。リアルタイムで講義を行うのではなく、ZOOMで亀松さんとやりとりしながら話して、それを編集した動画を学生に見せるという。

カメラの向こう側には亀松さんがいらっしゃるものの、ほぼ無観客。講師の仕事を長いことやっているが、初めての体験である。はたして私にできるかと心配でたまらなかった。

リモート講義を行う前に、ある媒体でZOOMを使ってリモート取材をする機会があった。かなりの違和感があったものの、何とかこなすことができたのがほんの少し自信につながったのである。

そして、当日。照明機材とパソコンを仕事場の作業テーブルに設置。本番直前にヒゲを剃って、ジャケットを羽織った。いつものようにパワーポイントで作成したレジュメに従って講義を進めていく。うん、やればできるじゃないか(笑)。

カメラに向かって一方的に喋るだけなので、まったく緊張しない。でも、ほぼ無観客ゆえにリアクションが伝わってこないのが寂しい。実は、学生たちの真剣な眼差しから沢山の刺激をもらっていたことを実感した。それが講師の醍醐味なのだ。

あと、リアルな講義の楽しみがもう一つある。京都で亀松さんと呑むのである。ギャラよりもむしろ、それが目的と言ってよいほど楽しい。最近は東京にもあまり行かなくなったので、編集者と呑む機会も少なくなった。それだけに私にとっては貴重な時間なのだ。

亀松さん、このたびはありがとうございました。秋には是非お目にかかりたいです。そして、呑みながら語り合いましょう。楽しみにしています。

※写真は、リモート講義中の私を女房が撮影(盗撮?)したもの。