永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

私には、仕事しかない。

f:id:nagoya-meshi:20200619232929j:plain

平凡でツマラナイ人生。あまり信じてもらえないかもしれないが、私は自分のことをそう思っている。先日、リモート講義をした関西大学の学生たちから、「波瀾万丈な人生」とか「壮絶な人生」とか言われたが、私は1ミリもそう思っていない。それはきっと、私がカメラマンやライターという、特殊っちゃぁ特殊な仕事をしているから、その色眼鏡で見ているのだろう。

同業者に限らず、母子(父子)家庭で育ったり、子供の頃に家が貧しかったりして、それをバネに必死で努力してきた人もいる。そういう人こそ、波瀾万丈な人生といえるのではないか。波瀾万丈さ、壮絶さという点で比較したら、私なんぞ逆立ちしても勝てない。

私はというと、両親はお互いにバツイチだが、私と姉は何不自由なく暮らしてきた。決して金持ちではなかったが、親がお金に困っていたようには思えない。いわゆる、普通。ついでに言うと、小・中学校の私の成績も普通。どこにでもいる普通の子供だったのだ。どこで道を踏み外したんだろう(笑)。

編集プロダクションでの仕事も、たしかに大変ではあったけど楽しくて仕方がなかった。たぶん、そこで仕事が好きだという「スイッチ」が入ったのだろう。私は会社を辞めてフリーになったが、それは何も特別なことではない。

フリーとなって間もない頃、食えない時期もあった。でも、女房が働いていたから食わせてもらっていたから、ひもじい思いをしたことがない。

「努力なさってきたんでしょう?」ともよく言われる。今に至るまで努力した覚えはない。ただ、好きなことを好きなだけやってきただけだ。何しろ、楽しいから。考えてみたら、私は仕事ばかりしている。いや、仕事しかしていない。土曜日や日曜日もマトモに休んだことがない。休みたいと思わないけど(笑)。

クルマやバイクなどの趣味に没頭したり、旅行へ行ったりしている人が羨ましく思うときがある。あ、ときどきね。実はあまり興味はない(笑)。旅は仕事でもしてるし。ほら、また仕事の話(笑)。あ、今、気がついた!このブログだって、仕事の話題ばかりだってことを。

朝起きてから、夜寝るまで、考えるのは仕事のことばかり。そんな私から仕事を取ったら、いったい何が残るんだろう。なーんにも残らない。夫としても、父親としても、ダメダメだし。そう考えると、ツマラナイ人間だと思う。

考えてみると、「永谷正樹、という仕事。」とは、本当に便利な言葉だ。私、永谷正樹には仕事しかないんだから。さぁ、明日も明後日も原稿を書かなきゃ。