永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

泥くさい人間関係。

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「同世代の人と語り合う月間」番外編。番外編としたのは、同世代ではなくかなり年下だったから。この日は、テレビにもよく出てらっしゃる某料理研究家さん(女性)と語り合った。いや、正しくは、昨年度、一緒にすすめていた仕事がひと段落したので、その打ち上げ。今年4月を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で今月となったのだ。

ちなみに一緒に進めていた仕事とはこれ。愛知県・幸田町の消防本部がつくった「愛知・幸田の消防カレー」。詳しくは↓下記の記事を。って、記事を読んだら誰と行ったのかバレバレじゃん(笑)。

lifemagazine.yahoo.co.jp

彼女がレシピを考案し、私が「火事場のチカラメシ。」というキャッチコピーとポスターの写真撮影を担当させていただいたのである。

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店は私がセレクトした。名古屋・栄4丁目の『shiosai(しおさい)』。ここは熟成肉のハンバーグが美味しくて、女性月刊誌『STORY』の取材でお世話になった。

shiosai.favy.jp

彼女とはこれまでに何度か一緒に仕事をさせていただいた。が、ゆっくりと話すのは初めてだった。今は飲食店のメニュー開発やプロデュース、レシピ考案に限らず、グルメによる地域活性化など大活躍の彼女だが、もともと、肉や魚、野菜など全国の生産者と飲食店を繋ぐ仕事をしていたという。

「食材を提案するにあたって、具体的にどんな料理に使うことができるのかを聞かれたんですよ。料理の経験もあまりないのに、作ってましたね。店を開いたときにテレビの取材があって、それが縁となってテレビに出させていただくようになりました」とか。

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたとき、彼女は自分でカメラを回して動画を撮影し、自ら動画編集ソフトを使って編集をしてYouTuberデビューを果たした。リモートワークやオンライン会議が当たり前になる時代を見越して、自分に何が出来るのかを考えてのことだろうと思う。

もう、世間的な成功を絵に描いたようなイメージを彼女に抱いた。しかし、

「いちばん大切にしているのは、生産者さんの食材に対する思いに応えること」と、語った。私が美味しい料理を作る人々をリスペクトしているのと同様に、彼女が手がける仕事の根底には、それがあったのだ。
しかも、彼女はブログを元旦を除いて5年間も毎日欠かさず更新していたという。何とストイックなんだろう。やはり、コツコツと続けていたからこそ、今の彼女があるのだ。

仕事をスマートに、サクサクッとこなしているように見えて、泥くさい。実に、泥くさいのである。なぜか、私の周りには男女問わずそういう人が多い。それは私が泥くさいどころか、それを通り越してヘドロくさいからだろう(笑)。

泥くさい人間関係というのは今どき面倒くさがられるだろうが、これが「ビジネス」ではなく、「仕事」、というヤツだ。私はそう思っている。


※写真は、名古屋・栄4丁目『shiosai』のコースで出されたパスタ。