永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

メイクと写真で、世界ヲ明ルク。

先日、書店大手のS洋堂のエライさん、K割さんと呑んだときのこと。7/25(土)の「メイク&フォト」イベントをいろんなところでいろんな人に声を掛けてくださっているらしい。本当にありがたいことである。その中で、

「でも、『メイクはしてもらいたいんだけど、写真は……』と、二の足を踏んでいる人が多いんですよ」という話を聞いた。これは、由々しき事態である。

たしかに、SNSをやっていなかったり、やっていても顔を公開していない人にとっては写真なんぞ不要だろう。必要のないものに1万円以上も払うことはできない。その気持ちもよーくわかる。

でも、写真の撮影を生業としている私の話にも少ーしだけ耳を傾けてほしい。それで少しでも、心が揺らいだら、是非、「メイク&フォト」に足を運んでいただきたい。

まず、1つ目は、写真とは、「時を刻むもの」であるということ。それは人物や風景、料理など被写体に関係なく。撮り手もアマチュアだろうが、プロだろうが関係ない。シャッターを切った、その瞬間が写る。当たり前だろう、と思うかもしれない。

でも、写真に写っているのは、そのときの姿形だけではない。わかるかなぁ。写真を眺めていると、そのときの自分の気持ちや思いが蘇ってくる。それが写真の醍醐味である。動画も同じように時を刻むものではあるが、被写体が動くだけではなく、音声まで付いているなど情報量が多いため、目に見えない気持ちや思いは写真ほど伝わってこない。

「幸せな思い出なら写真に残したいけど、悲しいのは嫌だ」という考え方もある。そりゃ誰だってそうだ。が、何年か経ってからその写真を見たときに、当時の苦しみや悲しみを乗り越えていることに気がつくのも写真の素晴らしさだと思う。

そこで、「メイク&フォト」である。メイクのプロがその人がいちばんキレイになるようにメイクをする。プロの写真家がその人がいちばん美しく見えるように写真を撮る。たとえ、その人が今、幸せか不幸かは関係なく。

仮に不幸であっても、「メイク&フォト」の、その瞬間だけは幸せな気分になる。それは絶対に間違いない。それは私も山村も保証する。実際、「メイク&フォト」をきっかけに自信へとつながって、気持ちを後押ししてくれたという感想は枚挙にいとまがない。

こんなこともあった。80代の方が「メイク&フォト」イベントに参加してくださった。メイクが仕上がってから、鏡に映ったお顔を見せると、背筋がシャンと伸びたのである。

さらに、私が「その笑顔、とてもイイですよ!すばらしい!」と声を掛けると、「若いオトコに褒めてもらえるなんて久しぶり」と言われた(笑)。たしかに80代からすれば私は「若いオトコ」である(笑)。

「メイク&フォト」は、人々を元気にする。ひいては「世界ヲ明ルク」する。そこに私はやり甲斐を感じているのである。一人でも多くの方が「メイク&フォト」イベントにお越しくださるのを心よりお待ちしております。