永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

名古屋めし。1

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「永谷正樹のなごやめし生活」。このブログのタイトルであるのは言うまでもない。ブログを始めたきっかけは、名古屋めしに関する講演のオファーが多く、そのレジュメを作るのにスクラップしている過去の記事を探したりして、それがとても大変だった。これまで取材したことをブログにまとめれば、その作業から解放されると思ったのである。

しかし、名古屋めしについてひと通り書き終えると、とくに書くネタもなくなり、しばらく放置していた。約1年間のブランクを経て再開したのは、自分自身を見つめ直すためだった。50代をいかに生きるのかと考えたとき、このままではいけないという不安感に襲われたのだ。

実際、ブログを再開して1年半が過ぎたが、名古屋めしに関することはほとんど書いていない。だから、初めて訪れた方は、「タイトルに『なごやめし』とあるのに、おっさんの戯言かよ(怒)!」と思った方も多いと思う。いや、申し訳ない。

「名古屋めし」という言葉が生まれた2000年代初頭は、ライターとして「名古屋めし」を全国に広めることがオノレの使命だと思って仕事をしてきた。ありとあらゆる、とは言い過ぎかもしれないが、数多くの雑誌で名古屋めしについてさんざん書いてきたし、撮ってきた。テレビや講演会でもさんざん喋ってきた。

2015年に愛知県や名古屋市、名古屋商工会議所などが「なごやめし普及促進協議会」を設立してから、私の役割は終わったと思った。私がやらなくても行政がチームを組んでやれば、その影響力は強大なものになるから。それに、万博から10年という時を経て名古屋めしはすでに全国区になっていたこともあった。

私の中で名古屋めしに対する思いも変わっていった。「名古屋めしライター」と呼ばれることに抵抗を感じるようになった。

(つづく)