永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

セルフうどん『どんどん庵』における私の流儀

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フリーになってまだ間もない頃、よく一緒に仕事をしていた編集者が何度か名古屋に遊びに来た。彼はB級グルメに目がなく、一緒にいろんなものを食べ歩いた。車での移動中、セルフうどんのチェーン店『どんどん庵』の看板を見つけた彼は、

「えっ!?名古屋にもセルフ式のうどん屋があるんですか!」と、大変驚いていた。当時は、讃岐うどんがブームになりつつあり、味もさることながらセルフ式というシステムも斬新だったようだ。

私と『どんどん庵』との歴史は古い。中学時代、土曜日の昼に母がいないときや友達と遊んでいて、小腹が空いたときに足を運んだ。当時、うどんは100円くらいだったと思う。今は無料の薬味がネギとショウガ、ワサビしかないが、当時は天かすや花がつおも入れ放題だった。いつもそれらをテンコ盛りにして食べた。父や母と一緒に行くこともあった。そんなときはちくわ天とコロッケをのせた。つゆを吸いまくってダラダラになったコロッケがやたらと旨かった。

どんどん庵』には、そばときしめんもあるが、決まってうどんを注文した。おそらく、いちばん安かったからだと思う。きしめんの美味しさにハマった今では、きしめんしか注文しなくなった。

さて、『どんどん庵』の公式HPには、写真付きで「美味しいうどんの作り方」を載せている。が、そこに書かれているのはあくまでも基本。そこで私流のきしめんの作り方と味わい方を紹介しよう。

まずは、作り方。カウンターできしめんを選び、茹で釜で麺を茹でる。その際、丼に茹で汁を入れて温めると、より美味しく食べられる。茹で時間は12秒くらい。茹でてからすぐにつゆを注ぎたいので、天ぷらなどサイドメニュー選びは手早く。イカ天好きの私は迷うことはないが。

天ぷらエリア横のショーケースにはとろろや温泉卵、揚げなどが並ぶ。夏場はここで小鉢に入った大根おろしを選ぶ。同じことを考える人もいて、大根おろしはすぐに売り切れてしまうのでご注意を。それと、選んだ天ぷらは麺の上にのせてもよいが、別添えにした方がよい。

ときどき、天ぷらエリアでノロノロしている人がいる。そのため、レジでお金を払うまでやたらと時間がかかることもある。「麺が冷めてまうがや!」と心の中で叫ぶ私。腹が減っているので余計にイライラする。あー、思い出しただけでイライラする。

代金の支払いを終えると、薬味のネギを入れる。その量はトングを大きく開いてひと掴み。そして、つゆを注ぐ。つゆはムロアジのダシとたまり醤油を合わせた「赤色」と、関西風?の「白色」の2種類用意している。断然、私は「赤色」をオススメする。

ここからは味わい方。まずはそのまま。ひと口食べたところで、一味をパパッとかけてもうひと口。そして、イカ天をオン。衣につゆが少しだけ染みたのを確認して、染みていない方の衣にネギをのせてパクリ。これがもう、たまらん旨さ!夏場は大根おろしとワサビものせるとなお旨い。この味を楽しみたいがためにイカ天は別添えにして、ネギをテンコ盛りにするのだ。

ポイントはイカ天をつゆで染み染みにしないこと。つゆを吸いまくって1.5倍に膨らんだ天ぷらが好き、という麺好きの友人もいる。たしかにそれはそれで旨い。が、麺を食べ終わったつゆに天ぷらから剥がれ落ちた衣が浮くのが許せないのだ。だからこそ、私は染み染みとサクサク、2つの味と食感を楽みたいと思う。まぁ、どうでもイイことだが(笑)。