永谷正樹のなごやめし生活

「なごやめし」について書き綴ります。

至誠。

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初詣以外、おみくじはあまり引かない。仮に引いたとしても、その結果は気にするような性格ではない。しかし、一昨日訪れた出雲大社で何となくおみくじを引いてみた。

出雲大社のおみくじは、吉や凶など運勢の順番は書かれておらず、番号のみ。調べてみると、そもそも出雲大社には吉とか凶という概念がないようだ。学校の通知表と同じで、5~1の成績順よりも先生の所感、出雲大社のおみくじで言う「訓」や「運勢」の方が重要ということだ。

で、私が引いたおみくじの「訓」には、こんなことが書かれていた。

「わが道は至誠と実行のみ。およそ世の中は智あるも学あるも至誠と実行とにあらざれば、事は成らぬと知るべし。」

さらに「運勢」には、

「本年は、開運に向かう年である。しかしながら一路に幸福を獲得しようとすれば、意外の災難を招く。千里の道も一歩より始まるものゆえに、信心怠らず一歩一歩、堅実に進むがよい。」と。

「至誠」とは、もともと孟子の言葉「至誠而不動者未之有也」だ。吉田松陰先生(あえてそう呼ばせていただきます)が維新の志士たちに伝え、遺した言葉でもあり、「誠の心を以て行動すれば、人の心を動かさない事はない」という意味である。

20代の頃、山岡荘八の『吉田松陰』を読み、ずいぶんと感化された。「至誠」をわが信条として、すべての人やこと、ものに誠(真心)を尽くそうと決めた。しかし、あれから四半世紀。私はずいぶんと汚れてしまった(笑)。

写真にしても、文章にしても、私は人を唸らせるテクニックを持ち合わせていない。人としても、50歳になろうとしているのに不甲斐ないし、女々しいし、ワガママだし、自分でも呆れるほど善いところが見つからない。

でも、縁のある人に、周りの人に誠を尽くすことなら、いや、それがいちばん難しいのだが、ここは初心にかえって実践してみようと思う。今回の出雲大社への旅は、気持ちが沈んだままだったが、ひと筋の光明が見えたような気がした。ただ、おみくじに書いてあるように、「千里の道も一歩より始まる」ことを念頭に一歩一歩堅実に進んでいこう。