永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

うなぎのいちばん美味しい食べ方。

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うなぎのいちばん美味しい食べ方は、ひつまぶしでもなく、うな重でもなく、うな丼だと思っていた。熱々に湯せんした丼にこれまた炊きたて熱々のご飯を盛って、たれをかける。そして、香ばしく焼き上げたうなぎをのせる。

熱さに耐えながら左手でしっかりと丼を持って、最初はそのまま食べる。口の中で身のフワフワ感と皮のパリパリ感、そして、たれと上品で繊細なうなぎの脂がコーティングされた米粒を噛むごとに幸せに包まれる。3口目くらいから山椒をぱぱっとかけると、また違った味わいになる。

どうだろうか?私は考えただけで唾液が分泌しまくり(笑)。しかし、うな丼に匹敵するくらい美味しいうなぎの食べ方を知ってしまったのである。それは、先日某店へ行ったときのこと。

「うなぎは……ひつまぶしとうな丼だけですか?」と聞くと、

「あと、『うなぎの炊き込みご飯』があります」とご主人。

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うなぎの炊き込みご飯。それは、他店にもありがちなうなぎの釜飯とはまったく違う。軽く炙った骨と少量のしょうゆ、みりんとともに土鍋でご飯を炊くのだ。炊き上がったところでうなぎの蒲焼きをのせて、すぐに土鍋の蓋を閉じる。すると、ご飯全体にうなぎの味と香りがくまなく行き渡る。

土鍋の蓋を開けると、立ち上る湯気とともに食欲を掻き立てる香りがふわっと広がる。口の中で溢れまくる唾液を飲み込みながら茶碗によそってひと口……。うおぉぉっ!ご飯の一粒一粒にうなぎのだしがしっかりと染み込んでいる!何なんだ、この奥行きのある味わいは!

うなぎも大ぶりで肉厚。めちゃくちゃやわらかい!ためしにご飯だけを食べてみたが、やはり旨い。うなぎの骨からこんなにも上品なだしがとれるとは知らなかった。本当に驚いた。もう、白ご飯に戻れないほど。

もともとこのメニューは、懐石コースの〆に出していたそうだが、常連客の要望でメニューにくわえられたという。ボリュームは約2人前あり、食べ応え十分。気になる値段は2700円とお手頃。えっ?どこで食べられるのかって?近々、記事になると思うのでしばしお待ちを(笑)。