私は両親と義父母、
義姉と身内の死に直面した。
人は必ず死ぬ。
義母がそうだったように、
つい、さっきまで元気だった人が、
突然亡くなることだってある。
いつ死ぬかは誰もわからない。
私だって明日死ぬかもしれない。
別に死を恐れているわけではない。
第一、死に抗うことなんて不可能なのだ。
例外なく、誰にも死は訪れるのに、
人はそれを意識していない。
だから、惰眠を貪る。
それは、私も。
しかし、人生の折り返し地点を
とうに過ぎた今、
死を意識してみようと思う。
今を懸命に生きる。
つまり、今、死んでも悔いのない生き方をする。
私が死んだら、
祭壇なんかは最低限でいい。
そんなものにお金をかける必要はない。
その代わり、
私が取材した、私の愛した店の料理人を招いて、
私と縁のあった方々に料理と酒を振る舞って、
ドンチャン騒ぎをしてほしい。
望むのは、ただ、それだけだ。