自分のことを必要とする人がいる。
幸せとはそういうことかもしれない。
20年ほど前の話。
やっと歩けるようになった長男が
ヨチヨチと歩いて、大きく手を広げて
私に向かって倒れ込んできた。
私が必ず受け止めてくれると
理屈抜きに信じていたからにほかならない。
このとき、私の中で
今までにない感情が芽生えた。
こんな私でも
長男にとっては、たった一人の父親であり、
私のことを必要としているのだ、と。
同時に、
自分よりも大切な存在ができたことを実感した。
この世に必要のない人なんて、いない。
たとえ、99人が自分のことを否定したとしても、
たった1人でも理解者がいれば、
自分の存在価値があるのだ。
「自分のことを必要とする人なんていない」
そう思っているのは、
自分だけだったりする。
そんなもんだ。
※写真は、昨年11月に21歳になった長男と初めて呑みに行ったときの一枚。