永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

貧しい心から生まれるもの。

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自分の苦しみなんて、

誰もわかってくれない。

バリバリと仕事をしている

同業者が羨ましい。

世間は冷たい。

 

20年ほど前、

すべてのレギュラー仕事を失った私は、

静まりかえった仕事場で

そんなことばかり考えていた。

 

マイナスに考えれば考えるほど、 

卑屈になればなるほど、

妬めば妬むほど、

仕事のオファーは来なかった。

 

もう、仕事を辞めようとも思った。

 

でも、写真や文章以外に

自分は何ができるというのか。

 

そう考えると、

カメラマン、ライターという仕事に

しがみつくしかなかった。

 

とはいえ、やることは何も、ない。

 

時間だけはあったので、

自分のホームページを作ろうと思い立った。

 

ホームページに載せる記事のために

取材へ出かけた。

 

1円にもならないどころか

当然、交通費などの経費も自腹。

 

でも、楽しかった。

 

自分にはやはり、

これしかないと思った。

 

いつの間にか、

マイナスに考えたり、

卑屈になったり、

妬んだりすることはなくなった。

 

すると、

単発の仕事のオファーが

ポツリ、ポツリと来るようになった。

 

再び仕事ができる喜びの中で

私は幸せを実感した。

 

貧しい心からは

貧しさしか生まれないことを

私はどん底の中で学んだ。