永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

自由な時間。2

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高校では写真部に入部した。見学したときにオタクっぽい先輩もいなかったし、カワイイ女子の先輩もいた。文化祭で作品展を開催したり、撮影旅行へ行ったりと楽しそうに見えた。何よりも、将来はカメラマンになろうと思っていたからにほかならない。

しかし、結論から言うと、高校の写真部でカメラマンになるための撮影の技術や知識など得たものは、なかった(笑)。その代わり、いろんなことを経験させていただいたおかげで人として学ぶものは多かった。

正式に入部した初日、部室へ行くと、

「じゃ、新入部員の歓迎会へ行くから」と、3年生の先輩、それも1年留年して生徒会長をしていた先輩の家に行った。で、いきなり酒盛り(笑)。ポテトチップスやカラムーチョをアテにメロンフィズやバイオレットフィズを思いっきり飲んだ。いや、飲まされた。

酔っ払った先輩は完全に目が据わっていた。スクッと立ち上がり、何か喋ろうとした瞬間、リバース(笑)。何となく、そこまでは覚えているが、先輩はどうなったのか、自分がそこからどうやって帰ったのか今も覚えていない。

スタートからこんな感じなので、写真部は撮影や現像よりもダベることが活動のメインだった。現像に使う薬品を温める電熱コンロでお湯を沸かしてコーヒーを淹れたり、カップ麺を食べたりして過ごした。とても退屈で部活の時間がとても長く感じたが、今思えば、あの、まったりとした時間は何ものにも代え難いひとときだった。

写真部の部室はたまり場になっていて、生徒会や水泳部の先輩が頻繁に遊びに来た。とくに水泳部の先輩、T山さんとウマが合い、結婚式にも呼んでもらった。今もFacebookで繋がっている。

T山さんは指定校推薦で受験に挑むも、見事に不合格。「絶対に受かるから」と余裕ぶっかまして勉強をまったくしていなかったが、一般入試までの3ヶ月間で脇目も振らずに猛勉強して見事にリベンジを果たした。

その後、T山さんはどういうわけか、勉強に目覚めてしまい、大学では語学留学をして、卒業後は税理士の資格を取った。そして、今は税理士として活躍している。私も確定申告前に相談にのってもらったりしている。3ヶ月間の猛勉強が人生を変えてしまったのだ。

私もそうだったが、B高校出身者は高校でさんざん遊んだので卒業後はあまりハメを外さなくなる。大学なり専門学校へ入学するなり遊び倒す、いわゆる“大学デビュー”の同級生を冷めた目で見てしまうのだ。だから、あれだけメチャクチャなことをやっていた同級生たちは皆、真面目に働いている。何事もなかったかのように。