永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

脱・色モノ宣言。

f:id:nagoya-meshi:20200223001654j:image

一流のカメラマン、ライターをめざす……って書くと、50歳にもなってコイツはナニを言ってんだと呆れてる方もいらっしゃることだろう。当の本人も「イタい奴」と思われるのを覚悟の上で書いている。

でも、逆に写真と文章を生業としている以上、ほかにめざすべきものがあるだろうか。コトバで表そうとすると安っぽくなってしまうけど、「一流の」というフレーズ以外に見当たらないのだ。

「一流の二刀流」と題したブログを読んでくれた後輩ライターがFacebookで

「永谷さんは寿司とてんぷらを両方出す店というよりは、たらことスパゲッティを組み合わせたり、あんことバタートーストを組み合わせてより美味しいものを開発しようとされているんだーと思っていたし、実際そうだと思っています!」

と、感想を述べてくれた。私なんぞのことをそんな風に見てくれていたのかと本当に嬉しく思った。たらこスパゲティも小倉トーストも一つの完成された料理であり、十分に市民権は得ているだろうが、やはり「色モノ」なのである。いわば、今の私自身と言ってもよいだろう。

そもそも写真や文章の技術向上にゴールはない。絵画や彫刻などのアートの世界もそうだろうし、書道や茶道、華道なども終わりはない。料理もまた然り。うん、料理で例えるとわかりやすいかもしれないな。

私がめざしていることは、和洋中ごちゃ混ぜの、「なんちゃって創作料理」のシェフがミシュランで星を狙いに行くことかもしれない。

写真と文章の技術を磨くのは当然のこととして、もう一つ、鍛えていかねばならないのが人間力だ。いくら技術があっても、人として魅力がなかったら、一流どころか二流、三流も無理だろう。

「ナガヤと一緒に仕事がしたい」、「ナガヤと会ってみたい」、「ナガヤと話をしてみたい」、そんな「ファン」を作るのだ。

そのためには、やはり一流の人と会って、そこから学ばせていただく。幸いなことに、私にはこれまで取材をきっかけに出会った一流の人が沢山いる。私が思う彼ら、彼女らの魅力は懐の深さと気配り。私にはないものばかりである。叱るよりも赦す人、鈍感よりも気がつく人に私はなりたい。

私の周りの一流の皆様、本人はそう思ってらっしゃらないかもしれませんが、私からの食事やお酒の誘いは断らないでくださいね(笑)。