永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

情報。

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フードライターという仕事をしているせいか、オススメの店や美味しい店を尋ねられることがある。親しい友人の場合は別だが、Facebookで繋がっているだけの人からメッセンジャーで尋ねられると正直、萎える。

なぜなら、ネット上には私が書いたグルメ記事が山のようにあるのだから、それを見てもらえば、どこがオススメなのか、美味しいのかがわかるのに……と思ってしまう。きっと、その作業が面倒くさいのだろうが、私ゃ単なる情報屋かってぇの。

私が趣味や道楽で食べ歩きをしているなら、これまた話は別。喜んで教えると思うし、何なら一緒に行って喜びを共有するかもしれない。しかし、私は食っていくために食っているのである。って、ヤヤコシイな(笑)。仕事なのである。情報は生命線であり、毎日毎日必死になってネタを探しているのである。

実は5日ほど前、以前に出演したことがある地元テレビ番組のスタッフから、私があるネットメディアで紹介した店のオーナーの連絡先を教えてほしいとの連絡があった。これ、記事を書いた本人に「パクります」と宣言しているようなものである。

媒体こそ違うものの、同じモノを作る立場にある者としてそれはいかがなものかと悲しくなった。それでも私はオーナーに携帯の番号を教えても良いかどうかを確認した。了解を得たのでそのスタッフにメールで伝えた。この話はこれで終わると思っていた。

ところが、昨日、再び連絡があった。以下がそのやりとり。

ス「先日教えていただいた件は現在進めていまして、その際にはナガヤさんにもご出演いただけないかと思いまして」

前回出演したときにギャラの話をしたところ、「上に相談してみます」と言ったきり、華麗にスルーされたので、もう私はその局の番組には出ないと決めていた。

永「いや、もう、私はいいですよ。別に出なくても」

ス「実は別の企画も進めていまして、激安の○○ってナガヤさんはご存じないでしょうか?」

永「一つだけ確認させてください。今のお話は、お仕事としてのオファーでしょうか?それとも、ボランティアでしょうか?」

ス「完全にボランティアだと思っていました」

完全に、ときたもんだ(笑)。他局ではクオカードだったのに(笑)、それすらも出ないってことなのね。そりゃそうだ。前回出演したときもギャラはおろか、現場まで自分の車で行って、収録中にかかった駐車場代も自分で払ったしね。「完全に」と聞いて逆に清々しい気分に……なるかいっ(笑)!

もう、この際だから、前回のギャラの件も記事のパクリの件もすべてぶちまけた。何度でも言うが、私が美味しい店や面白い店を探すのは、記事を書くという仕事のためなのだ。雑誌やネットメディアの編集者はネタ出しやリサーチを仕事として依頼してくださるのに、なぜ、テレビの場合は仕事ではなくボランティアになるのか。いくら考えてもわからない。

この顛末を少しだけFacebookにも書いたところ、「ボランティアは社会貢献であってタダ働きではない」というコメントを頂戴した。文章を生業としているにもかかわらず、恥ずかしい。ボランティアに取り組まれてらしゃる方にも大変申し訳なく思った。

そこで、テレビ局からこういった問い合わせがあったとき、はなっから仕事のオファーと決めつけた上で、

「とりあえず、見積書を作成します。リサーチの予算はどれくらいでしょうか?」と言おうと思っている。

「大変失礼いたしました」と一応は謝罪したが、記事を書いた本人に連絡先を聞いてくるほど感覚がズレているので額面通り受け止められない。このブログを読まれて出禁になっても構わない。いや、むしろ、そうしてくれ。