永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

再会。

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昨日、取材である和食店へ行ったときのこと。店内、外観、そして料理を撮影して、店のことや料理について話を聞いた。私の場合、原稿を書く上であまり関係ないことまで聞いてしまうので、取材時間が長くなることも多々ある。

 今回は取材のスタートが16時とやや遅めだったこともあり、終わったのが営業が始まるギリギリの時間になってしまった。こういう場合、かなり焦る。取材で訪れたことが逆に仕事の邪魔をしたのではないかと思い、

「本日はありがとうございました。では、また連絡させていただきます』と、店のご主人と女将さんに挨拶をして帰ろうとした。

そのとき、一組の客が入ってきた。常連っぽい客が友人を連れてきたようだ。その友人の方が私の顔を見るなり、

「ナガヤ君、だよね?」と、話しかけてきた。彼はネクタイ姿のサラリーマン風だったので、テレビ局の人か地元の出版業界の人だと思った。私がその人のことを知らなくても、私のことを知っているなんてこともよくあるのだ。

以前、ある店へ行ったとき、

「ナガヤさんの知り合いが来ましたよ」と、店のご主人に言われたことがある。しかし、聞いてみると、会ったこともなければ名前すら知らなかった。そいつは

「ナガヤさんとはマブダチなんすよー」てなことをイケシャァシャァと宣っていたらしい。ゴルァ!誰かは知らんけど、勝手に人の名前を使うなっつーの!

おっと、話が逸れた。彼は

「T木だよ、T木」と言うので、どこのT木かと訊ねたら、

「小学校と中学校が同じだった……」とのこと。

それで思い出した。同じクラスにはなったことがなかったが、たしかにいた。T木君。何年か前まで親しくしていたI田君と仲良しだったんだよな。I田君からよく話を聞いていたっけ。私は帰宅するのをやめて、T木君の隣に座って昔話に花を咲かせた。

自分も人のことを言えないが、T木君はかなり髪が薄くなっていて、明らかに私よりも年上に見えた。しかし、そう思っているのは私だけで、第三者が見たら、まさにどんぐりの背比べ。私もT木君もただのおっさんにしか見えないのだろうか。そう考えると、少し凹んだ。

でも、一つだけ言い訳をさせてくれ(笑)。私は49歳、それも50歳となる3ヶ月前にそれまでの自分に別れを告げた。生き方も変えた。前にも書いたが、「永遠の駆け出し」が私なのだ。ミテクレはどうであれ、気持ちだけは若いと思っている。