永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

夢と現実の狭間。

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とうとう、というか、ようやく全国に緊急事態宣言が出た。私が住む愛知県は「特定警戒都道府県」にも指定された。この状況は、いわば戦争と同じ非常時である。

非常時になると、生きること、生き抜くことが最優先となり、私が生業としている写真や文章は不要となる。もともと、私の仕事は人々の生活にとって不可欠なものだとは思っていなかった。

とはいえ、現実を目の前に突きつけられると、それを全力で否定したくなる。でも、いくら考えても、否定できる材料が一つも見つからない。やはり、受け入れざるを得ないのである。

そもそも、ニュースは別として、グルメ記事を読む余裕もないし、読んだ後に店へ行こうにも営業を自粛している可能性だってある。と、なると、本当にやることが、やれることがない。いかん、私としたことが弱気になっているなぁ。

では、走るのを止めてもよいのか?人々の心を豊かにするのではなかったのか。「世界ヲ明ルク」するのではなかったのか。「ナゴヤにナガヤあり」と言わしめるのではなかったのか。

否、否。外へ出られず、写真が撮れないことを嘆くヒマがあるなら、自宅で照明機材を組んで撮る。それに飽きたら私は文章を書く。それも、とびきりくだらない文章や食べたくて食べたくて居ても立っても居られなくなるグルメ記事を書く。もう、この際、ギャラが出るとか出ないとかは関係ない。

私にとって、生きることとは、撮ることと書くことでもあるのだ。

 

※写真は、私の大好きな店の一つ、名古屋・錦3丁目『鮨 古川』の握り(ノドグロ)。コロナが終息したら、真っ先に食べに行く。で、鮨をたらふく食って呑みまくってやる。