アフターコロナの世界を明るいものにするために、私に何ができるかをずっと考えている。あ、これは商売ではない。もちろん、仕事につながれば、それに越したことはないのだが、利益を優先させてしまうと、本来の目的を見失いそうになってしまうのがこわい。だから、一人でも多くの方に喜んでいただくことを第一に考えている。
私にできることーーー。やはり、写真と文章しかない。いずれも世の中には、まるで洪水のように溢れかえるほど多くのものが氾濫している。実力もないくせに偉そうなことを言わせてもらうが、その中にどれだけ人の心に訴えかけるものがあるだろうか。
例えば、インスタ。そこにはインスタグラマーなる人々が撮影した写真が数え切れないほど並んでいる。私もiPhoneで撮影した朝食、“家モーニング”をアップしているが、それは作品ではなく、あくまでも記録用。だから、「キレイ」とか「美味しそう」というだけ。それ以上でもそれ以下でもない。
最近、あまり耳にしなくなったが、「映える」という表現は、「キレイ」とか「美しい」という形容詞ですらないと思っている。「映える」料理やスイーツ、ドリンクなどのメニューや空間を商売のために確信犯的に作った時点で、それは言葉ではなく、記号化されてしまったのである。
どんな被写体でも「映えさせる」のが、撮影の楽しさのはずなのに、それをお膳立てしてもらって何が嬉しいのだろうか。私にはさっぱりわからない。
形容詞では表現できない一枚。見た人が深く考えてしまう一枚。人々の琴線に触れる一枚。間違いなく、写真には力がある。
見た人だけが幸せになるのではなく、撮る人や撮られた人も幸せになる写真。アフターコロナの世界を明るくするためのヒントはそこにあるような気がする。うん、何となく見えてきた。
※写真は、名古屋市港区『手打うどん 高砂』店主の堀江高広さんと彼の手(上2枚)。愛知県豊明市『讃岐うどん 十四明』店主の加納雄二さんと彼の手(下2枚)。
昨日、『Yahoo! ライフマガジン』で、お2人を紹介させていただきました。
↓記事はこちらで読むことができます。よろしければ、ご覧ください。