永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

愛されキャラ。

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昨日は久しぶりに取材。ずーっと家に籠もっていたこともあり、せっかく外出するなら、取材の前に外でご飯を食べることにした。営業を自粛している店もあるなかで私が選んだのは、名古屋・丸の内の『濃厚中華そば 佐とう』。

ここは一昨年の11月、店主の佐藤昇さんの師匠である刈谷市『半熟堂』、岡崎市『つけめん舎 一輝』の杉浦正崇さんに紹介していただいて食べに行ったのがご縁。タレにたまり醤油を使っていて、懐かしさと新しさが混在する味に衝撃を受けたのだ。そして、いろんな媒体で紹介させていただいた。

何よりも、佐藤さんの人柄にとても好感が持てた。こう言っては失礼かもしれないが、ラーメンの職人としても、経営者としても決して器用な方ではない。でも、味に対する探究心は、どこまでもマジメ。愚直、と言った方がよいかもしれない。

ゆえに、ウソがつけない。それは他人にも、自分にも。そんなキャラクターゆえに、多くの人々に愛されている。商売をやる上で、それがいちばんの強みなのだ。私も業種こそ違えど、自分で商売をしているから佐藤さんのキャラクターがとても羨ましい。きっと、生まれ持ってのものなので、誰もマネすることはできない。

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これが佐藤さん。いかにも“愛されキャラ”でしょ(笑)?昨日、私が店内の待合席に座っていると、すぐに気がついて、仕事の手を止めてわざわざ挨拶に来てくださった。

「いやぁ、嬉しいです!」と、佐藤さん。GW明けにテレビの取材が入っていることも嬉しそうに話してくれた。

上の写真は、麺が大盛りで半熟卵がのる「特盛チャーシュー中華そば」。前にも述べた通り、スープはたまり醤油がベース。味に角がなく、口当たりはまろやかながらも濃厚なコクがある。

もう、このラーメンは、人として芯がしっかりとしている佐藤さんの分身みたいなものだ。料理とは、そういうものかもしれない。やさしい人が作った料理はやさしい味がするし、職人気質の人のはスキのない味がするもんなぁ。

あ、一つだけ佐藤さんにやめてもらいたいことがある。私が食べ終わって、帰ろうとしたときに彼はいつも「どうでしたか?味、ブレてませんか?」と、聞いてくるのである(笑)。私ゃ佐藤さんの師匠でもなければ、ラーメン評論家でもない。ただの客、というかファンなのだから。

佐藤さん、そして、杉浦さん、新型コロナが終息したら、是非、飲みに行きましょう。一次会は私がまだ未体験のフラワーガーデンでお願いします(笑)。