ふと、思い出した。
高校の教室にある机が、
どれも落書きだらけだったことを。
きっと、授業が退屈すぎたのだろう。
私も落書きをしていたかもしれない。
いや、していたな。
誰かの落書きで
1つだけ強烈に覚えているものがある。
シャーペンの先で彫られた
「なんか面白いことないかしゃん」
という文字。
「ないかしゃん」とは名古屋弁。
だから、標準語に訳すと
「何か面白いことないかなー」という意味だ。
時間だけはある退屈な日常を過ごす、
何とも高校生らしい呟きと思えないことはない。
でも、面白いことは、
そんなやたらめったら起こるものでもない。
起こったとしても、
待ちの、受け身の姿勢では、傍観者と同じ。
そんなの、テレビを見てるのと変わらない。
いちばん面白いのは、当事者になることだ。
例えば、お笑い。
漫才や落語を聞くのは楽しい。
でも、人を笑わせる芸人の方が
もっと楽しい、というか
もっと大きな喜びを得ている。
↑この動画も視聴者より、
演者の方が絶対に感動している。
雑誌やネットメディアの記事も同じ。
読みながら腹を抱えて大笑いすることがある。
でも、読者よりも
記事を書いたライターの方が
現場で大笑いしている。
それは絶対に間違いない。
私がそうだから。
傍観者よりも当事者の方が絶対に楽しい。
だから、この仕事はやめられない。