永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

セミナー、嫌い。2

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どこまで書いたっけな。そうそう、創業社長のサクセスストーリーの話だ。話を聞いていて、たしかにスゴイとは思う。

一代で会社を築き上げるまでには相当苦労されたと思うし、セミナーでは話せないことも多々あっただろう。危機に瀕したときの、あの決断がなかったら今頃はどうなっていたのか……。そんな風にサクセスストーリーを映画やドラマを見る感覚で楽しめばよいのである。創業社長には悪いが、一つのエンターテイメント作品として。

しかし、実際は違う。参加者はそれを自分の仕事に活かそうとする。主催者もそれが狙いでセミナーや講演会を開いている。でも、そんなのはムリなのだ。生まれた環境も、これまで歩んできた道も違うんだから。それこそ、セミナーで聞いた話は、創業社長のほんの一部分でしかない。それをわかっていない。

仮にマネをして成功したとしても、元祖を超えることはできない。所詮は人マネ。どこまで行っても二番煎じなのだ。それでもよいという人もいるかもしれない。私なら絶対に嫌だけど。

えっ?お前だってセミナーや講演会に講師として呼ばれることがあるじゃないかって!?うん。そうだよ。でも、そもそも論として、私にはサクセスストーリーがない(笑)。っていうか、世間でいうところの「成功」なんて興味がない。だから、仕事に活かせるどころか、何のためにもならない。純粋なエンターテイメントなのだ。わかったかな?

さて、私がお付き合いで参加したのは、経営者向けのセミナーだった。手っ取り早く内容を紹介すると、「経営者たる者、しっかりとした理念を持って経営すべし」というもの。セミナーのセンセイによると、企業における理念とは、その企業が繁栄することで社会においてどのような恩恵をもたらすことができるか、ということらしい。

うん。それは間違っていないと思う。参加していた経営者の皆様は、センセイの一言一言にいちいち大きく頷き、一生懸命にメモをとっていた。その様子を見て、私は頭の中が???だらけになってしまった。

吹けば飛ぶような個人事業主である私でさえ、理念はある。何度かブログにも書いている、「撮ル、書ク、喋ル。デ、世界ヲ明ルク。」というやつだ。つまり、私が撮った写真を見た人の、記事を読んだ人の、講演を聞いた人の心が豊かになり、そのような人が一人でも多く増えることで世界を明るくするというものだ。また、この理念には、目を背けたくなるような事件や事故などの取材はしないという宣言でもある。

セミナーに参加しているのは、そこそこ大きな会社の経営者である。にもかかわらず、今の今まで理念を考えたことがなかったのか?それじゃぁナニか!?金を儲けることばっかり考えていたのか!?もう、呆れるしかない。

なぜ、私はセミナーが嫌いなのか。異業種交流会にしろ、セミナーにしろ、そこに参加しているオレはスゴイ、みたいな雰囲気がたまらなく嫌なのだ。いや、この際、金儲けのことばっかり考えていてもいいよ。だったら、脇目も振らず働けよって。

自分のフィールドにしかヒントも答えもないってことは、たぶん自分もわかっているはず。向かい合うのは、セミナーのセンセイでもなければ、SNSの友達でもなく、自分自身でしかないのだ。

今日のブログもまたまた長くなってしまった。でも、これだけは書いておきたい。もうしばらく付き合ってほしい。

自己啓発系のセミナーに通っていた友人はなぜ行かなくなったのか。セミナーに参加しても成果が表れないのは、努力が足らないと自分のことを責めていたが、あるとき、「努力をしていても結果がついてこないのは、これから善くなる前兆である」と考え方が変わったらしい。

ダイエットをしたことがある方ならわかると思うが、あるときを境に体重が減らなくなる。ここで諦めてしまうとリバウンドが待っている。しかし、ここからまた努力をすると再び体重が落ちていく。それと同じなのだ。

3日間にわたって、異業種交流会やセミナーについて語ってきた。実は、かく言う私もある講演会に通っていたことがあった。しかし、あるときからパタリと行かなくなった。それはまた明日にでも。