Twitterで俳優の高知東生さんをフォローさせていただいている。薬物依存を、いや、それ以前に複雑な家庭環境や母親の自死などまさに地獄を乗り越えて、力強く生きようとする彼のツイートはいつも心に響く。
俺は将来「ああなりたい」「こうなりたい」と考えることが、夢であり希望だと思っていた。結果「今」という足元を「自分で」固めていくことを怠っていた。面倒なことを誰かにやって貰っていると、力も自信もつかない。「今」の課題に「自分が」向き合うことこそ、実は夢と希望を生きることだったんだな
— 高知東生 (@noborutakachi) 2020年8月6日
お金は大切だけど、金の繋がりって本当に脆い。むしろ友情とか、愛情とか、信頼とか、優しさのような、目には見えない証明できないものこそ価値があるよな。今は「エビデンス」とか「成果」「お金」より、目に見えないものこそ大事にできる人に成長したい。俺自身が目に見えないものに救われたから。
— 高知東生 (@noborutakachi) 2020年8月7日
そんな高知東生さんが自らの半生を綴った本が出版されることをTwitterで知った。『生き直す 私は一人ではない』というタイトルもまた私の心に刺さった。
生き直す───。高知さんとは比べものにならないが、私も49歳のときに生き直そうと思った。コンプレックスと思っていたことやオノレの女々しさや苦しみ、悲しみをすべてブログで曝け出した。ルーティーンでやっていた一つ一つのことに意味を見出した。
自問自答を繰り返す中で、小さな目標を立ててクリアすることを重ねていき、「世界ヲ明ルク。」という究極の目標に辿り着いた。ブログを書き続けたおかげで、気持ちの整理ができただけでなく、あれほどキライだった文章も、書くのが苦にならなくなった。
大げさでも何でもなく、それまで見えていた世界が変わった。まだまだ自分がめざす自分の姿にはほど遠いが、今、確実に前に進んでいることを実感している。
人は、生き直すことができるのだ。しかも、何度でも。今どきの若者は、失敗を恐れる傾向があるらしい。若者に限らず、誰だって失敗はしたくない。だからといって、挑戦する前に自分にはできないと諦めてしまうほど馬鹿らしい者はない。
失敗しても、生き直すのだ。どん底から這い上がるには相当なエネルギーが要るのは間違いない。しかし、それが生きる力として自身に蓄えられていく。いつでも、何度でも、生き直せ。高知東生さんの、生き直そうとする姿に多くの人々が心を打たれたように、必ず応援してくれる人が現れるだろう。生き直せ。生き直すのだ。