永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ステータス。

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先日、自動車のディーラーに勤めている友人からこんな話を聞いた。

「ハイエースのスーパーGLに乗っている大工さんは、しっかりしているというか、儲かっていると思われるみたい。同じハイエースでもDXじゃなくて、スーパーGLね」と。

カメラマンの世界でも、ボルボのステーションワゴン=売れっ子という話を聞いたことがある。今はまったく耳にしないが。要するに、ステータスってやつなんだろう。くだらねぇ。

まぁ、価値観は人それぞれだが、私は車にステータスなんぞ微塵も感じていない。車選びの基準はたった一つ。尋常ではない量の撮影機材を運搬するということだけだ。

だから、両面スライドドアのホンダ・フリードを10年間も乗り続けている。私にとっては、ボルボのステーションワゴンやベンツのSUVよりもずっと使いやすいと思っている。

あ、バブルの頃は、ハッセルブラッドというカメラも売れっ子カメラマンの象徴だったな。実は、これは持っている(笑)。

言っておくが、ステイタスだからじゃないぞ(笑)。ハッセルブラッドに惚れ込んだから、ハッセルブラッドでしか撮れない写真があるから買ったのだ。

服はもっぱらユニクロやGU、Right-on、Mac-Houseなどで買っている。服はそのまま仕事着になるので、痛むのが早い。何せ、肉体労働だから。2シーズンもてばよい方なので、安いものをこまめに買っている。

そもそも、服に限らず、時計(そもそも着けてない)やカバンなど身につけるものに対しても、まったくステータスを感じていない。

昨日のブログにも書いたが、自分自身を「盛って」売れっ子を演じたとしても、それが何になるのか。ボルボに乗っているから、ロレックスを着けているから仕事がもらえるなんてことがあるのか⁉︎

あったとしても、私は乗っている車や身につけているもので判断するようなクライアントと一緒に仕事をしたいとは思わない。まぁ、フリーとなってまもなく四半世紀が経とうとしているけど、ただの一度もそんな人はいなかったが。

何度も書くけど、高級車から降りて、着飾ったブランドものを脱ぎ捨ててスッポンポンになったとき、ソイツ自身が面白いか否か。それだけなのである。

ステータスとは社会的地位という意味である。そもそもカメラマンやライターなんぞにそんなものがあるわけがない。

新型コロナの影響で、仕事がまったくなくなったとき、それを痛感した。世の中に必要不可欠な存在ではないのだ。

ただ、あればあったで人生が少しだけ豊かになる。カメラマンやライターとは、その程度のものなのだ。

ボルボに乗っているから、ロレックスを着けているから、カメラマンやライターの社会的地位が認められたり、向上したりするなんてことはあり得ない。