永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

フォロワーは金ヅル。

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ひと昔前と違って、カメラマンという職業のハードルはかなり低くなった。何しろ、副業でもできるのだから。まぁ、もともと資格も要らないし、カメラマンと名乗ったその日から誰でもなれるような職業なのだが。

また、「インスタグラファー」というコトバがあるように、インスタがカメラマンの登竜門になっている感もある。フォロワー数の多いカメラマン=影響力がある、ってことが仕事に繋がるのだろう。

最近、ある飲食店のオーナーから、インスタのいわゆる、インフルエンサーにメニューをプロデュースしてもらったという話を聞いた。インフルエンサーは、考案したメニューをインスタにアップして宣伝する。それを見たフォロワーが来店するという仕組みだ。

もちろん、それはグルメ好きが趣味でやっているという話ではなく、ビジネスとしてやっている。そのインフルエンサーの場合は年間契約らしく、飲食店に取っては決して安くはない。限りなく広告代理店やPR会社の仕事に近いが、まったく違う。

最大の特徴は、自分だけのメディア(インスタ)と読者・視聴者(フォロワー)を持っているという点だろう。広告代理店の場合は、「代理店」とあるように、テレビや新聞、雑誌などのメディアへの広告活動をクライアントに代わって行う。メディアと深い関わりがあるものの、自前ではないのだ。

私の友人でインスタのフォロワー数5万人のインスタグラマーがいるが、DMでエステや化粧品をPRしてほしいというオファーが来るらしい。クライアントにしてみれば、バカ高い費用がかかる上に、誰がいつ見ているかどうかもわからない既存のメディアへ広告を出すよりも、影響力のあるインスタグラマーに安価な費用でPRしてもらった方がコストが抑えられる。

だから、少しでも売上を伸ばそうと、インスタグラマーに仕事を発注した飲食店のオーナーの気持ちも解るし、セールスプロモーションの手法としては「アリ」だと思う。しかし、私の考え方が古いのか、それとも年を取ったのかわからないが、スゴイとは思うものの、インスタグラマーをまったく羨ましいとは思わない。

なぜなら、フォロワーの数がすべてだからだ。そりゃ5万人、10万人とフォロワーを増やすまでには並々ならぬ努力をしてきたとは思う。しかし、フォロワー数をウリに商売をした時点でフォロワー=金ヅル、という図式でしか捉えられなくなってしまう。私にはそれがどうしてもできない。

モノを創る人と、創ったモノを気に入ってくださった人、すなわちファンとの関係は純粋でなければならないと思うのだ。まぁ、インスタのフォロワー数577人の私がそう言ったところで何の説得力もなければ、影響力もないが(笑)。

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※写真は、名古屋市瑞穂区にある『名代中華そば ばら』の「びっくりチャーシュー麺」。