永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

スイッチ。

『メイク&フォト』イベントの1日目が終わった。身体は疲れているものの、心は弾んでいる。撮影した写真をカメラのモニターに映して見せると、皆、恥ずかしがりながらも喜んでくださる。その表情がまたイイのである。

写真を撮るという行為は、いくらスマホが普及したとはいえ、非日常である。それも、プロにメイクをしてもらい、本格的な撮影機材を用いての撮影であれば尚更のこと。誰でも緊張する。それは無理もない。

芸能人がカメラの前で自然な笑顔を作れるのは、それが仕事だからである。笑顔、というか表情の引き出しが多ければ多いほど、メディアに重宝がられ、それが人気や収入につながっていくのだ。だから、笑顔ができるのは当たり前っちゃぁ、当たり前。

ところが、素人はそういうわけにはいかない。ただでさえ緊張しているのに、「もっと笑顔をくださーい!」なんて言われたらどうしてよいのかわからないだろう。

しかし、緊張が緩和されて、「スイッチ」が入る瞬間がある。10回シャッターを切って入る人もいれば、100枚切っても入らない人もいる。タイミングは人によってさまざまだが、必ず入る。

その瞬間を見るのも、たまらなく楽しい。一旦、スイッチが入ると、どんどんキレイになっていく。もう、私もシャッターを押す指が止まらない(笑)。シャッターチャンスを狙っていたのが、いつの間にか立場は逆転し、シャッターを押させられているのだ。

たぶん、男性よりも女性の方がスイッチが入りやすいように思える。男性はどうしても恥ずかしさや照れが先立ってしまい、つい、「オレはいったいナニをやってんだろ?」と、自分を客観視してしまうのだ。そうなると、なかなかスイッチは入らない。それをこじ開けるのがカメラマンの力量なのだ。

撮る側の私もスイッチが入る瞬間がある。それはきっと、照明機材を準備して、カメラのボディにレンズを装着したとき。一方、メイク担当の山村えり子さんもスイッチが入ると顔つきが変わる。やはり、プロの顔になるのだ。

昨日、彼女が現場にやってきたのは、私が現場入りしてから約30分後。顔を見たとき、ちょっとお疲れ気味かと思った。ところが、最初のお客様のメイクが始まったら、顔つきがガラッと変わった。流石である。やはり、彼女も私と同様に現場が好きなのだ。今日は2日目最終日。全力で頑張ろう!

最後に、昨日会場に足を運んでくださった皆様、ありがとうございました!メイク担当の山村えり子さん、お疲れ様でした。ゆっくり休んで英気を養ってください。そして、私たちをサポートしてくださった三洋堂書店新開橋店の皆様、ありがとうございました!本日もよろしくお願いいたします!