永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

恩人。

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今日は告知なし。まぁ、こんな日もある。

昨日は、UFJニコスカードの会員情報誌『PARTNER』の取材・撮影で某店へ。編集担当の山本由樹さんがわざわざ東京から取材の立ち合いに来てくださった。

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山本さんは、元光文社の編集者で、私の恩人の一人。早いもので、20年以上の付き合いになる。20年ほど前に、今はなき『週刊宝石』の仕事をしていたときに、編集担当に紹介していただいたのが、当時『女性自身』のデスクだった山本さんだった。

奥様が名古屋出身ということで、山本さんは名古屋が大好きで、すぐに意気投合して何度か仕事をさせていただいた。当時、名古屋は2005年に万博を控えていて、全国から注目を集めていたこともあり、『女性自身』では、ほぼ毎週、名古屋ネタを取り上げていた。

私一人で動くこともあれば、東京から記者が来ることもあった。今は名古屋出張は日帰りが当たり前だが、当時はほとんどが泊まりだった。きんさん・ぎんさんが亡くなったときは、三泊くらいしていたと思う。

私はニュース班のカメラマンとして記者とともに現場に入った。驚いたのは、グラビア班からも記者とカメラマンが来たこと。写真も記事も使い回せばよいのだから、今だったら絶対にあり得ないと思う。

昼間から夕方にかけて取材・撮影をして、それが終わると毎晩ドンチャン騒ぎ(笑)。1杯1500円くらいの、たしか、日本酒「久保田」の「萬寿」だったと思う。それを浴びるほど飲んだ。機材があったので、仕事は車で移動していたが、車を繁華街の駐車場に止めて、タクシーで帰宅し、翌日は駐車場までタクシーで行く、なんてこともあった。本当に今考えるとメチャクチャなことをしていた。

山本さんは、2001年に『女性自身』から『週刊宝石』の後継誌として創刊された『週刊DIAS』へ異動となった。そこでも仕事をいただいた。いちばん印象に残っているのは、12ページを使ってトヨタ自動車を特集したこと。

フツーにトヨタ自動車を紹介するのではなく、「トヨタ自動車の大躍進を支えているは、名古屋人気質である」という大胆な仮説を立てて、一つ一つ立証する、というもの。ページのデザインも変わっていて、も上半分がトヨタ、下半分は名古屋ネタという構成だった。

もちろん、下半分の取材と撮影、原稿は私が担当した。さすがに私は専門的な知識がないのでトヨタの取材はできなかったものの、撮影はすべて任された。12ページの仕事を終えるのに、ほぼ1ヶ月かかった。山本さんの部下で、当時の編集担当から、

「ナガヤさん、この1ヶ月間、他の仕事をいれられなかったでしょ?そこらへんもきちんと考えますから」と言われた。そのときのギャラが最高額で、いまだにそれを超える額をもらったことはない。

しかし、『週刊DIAS』は1年ももたずに休刊となり、山本さんは新たに創刊された『STORY』の副編集長となった。そこでも「ランチクルーズ」というグルメの連載ページの仕事をいただいた。

媒体が『STORY』ゆえに、誌面で取り上げるのもアッパークラスの店が多く、この取材で名店と呼ばれる店のシェフと知り合うことができた。「ランチクルーズ」は、リニューアルされ、「どうしても、このひと皿に会いたくて」というタイトルに変わって、現在も連載している。

山本さんはその後、『STORY』、『美ST』の編集長を務めた。その頃は、コメンテイターとして日テレ『スッキリ!』に出演したり、私にとっては雲の上の人になっていた。そして、50歳で光文社を退職し、幻冬舎『DRESS』の編集長となった。月日は流れ、昨年あたりから山本さんが手掛けている媒体で名古屋エリアの取材や撮影があるときに声をかけていただくようになった。

山本さんの求めるレベルは相当高いので、いつもプレッシャーを感じながら仕事をしている。冗談交じりに「安心のナガヤクオリティー」などと褒めてくださるのが私は嬉しくてたまらない。長いこと時間がかかったが、やっと山本さんのブレーンになれたような気がする。

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昨日は、取材が終わってから、山本さんのリクエストで、ナガヤ史上三本の指に入る美味しい焼肉を食べに行った。今、山本さんは相当忙しいようで、私が撮影している横で何度もスマホでメールのやりとりをしていた。それを労うにはぴったりの店だった。

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私も10月はほとんど休みをとっていなかったので、美味しい肉に癒された。山本さん、ご馳走様でした!また、名古屋で一緒に仕事ができるのを楽しみにしています!