永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

カメラの話。

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今日はコース料理の撮影。今回はちょっとマニアックな話を。興味のない方はスルーしてくださって構いません。

料理写真の撮影にはいつもキヤノンのカメラを使っている。一方、「メイク&フォト」のようなポートレートや、それ以外の撮影にはソニー。つまり、2つのメーカーのカメラを使い分けている。

同じカメラでも発色が全く違うのである。キヤノンは、とにかく発色が派手。しかも、ホワイトバランスをオートに設定しても、色被りせずにきちんと色が出る。

ただ、料理以外の撮影では派手すぎるので好みが分かれるところ。最大の欠点は、デジタル一眼なので、カメラもレンズもデカい。しかも、バッテリーのもちもあまりよくはなく、予備のバッテリーも沢山バッグに入れている。

ロケ中心の私としては、できるだけ機材をコンパクトにしたい。そんな思いから、何年か前にソニーのミラーレス一眼を導入したのである。

一方、ソニーはアウトドアで撮る分には完璧。何の問題もない。しかし、室内の照明や窓から太陽光が差し込むような、いわゆるミックス光の下で撮影すると、色が被ってしまう。最大の欠点は、ストロボを使っての料理撮影。

まず、ホワイトバランスのオートはまったく使い物にならない。グレーカードを使って、マニュアルで設定する必要がある。ところが、いくらきちんとホワイトバランスをとっても、黄や緑が被る。反対色の青や赤を強くして色被りを除去しようとしても、今度はその色が被ってしまう。だから、料理撮影にソニーを使うのを諦めていた。

ところが、ソニーストア名古屋で佐藤二朗さんの動画に出演する際、動画に使用する料理写真を提供してほしいと言われた。また、現在、ソニーストア名古屋で開催中の「8Kうまいもの写真展」にも出展することになり、料理の撮影現場にソニーのカメラも持っていって料理写真を撮るようになった。

相変わらず、色被りは酷い。自分のレタッチ技術ではとても無理だと諦めていた。そんな中、ある閃めきがあり、試してみたところ、色被りがキレイに除去できたのである。トップの画像がそれ。少なくとも、私のiMacのモニターではキレイに見えている。

これで機材をソニーに一本化できるかもしれない。キヤノンは、生まれて初めて触ったカメラがキヤノンだったから、キヤノンを使ってきた。フィルム時代は愛着を持っていたが、デジタル化されてからはあまり思い入れはなくなってきた。名古屋にプロサポートの窓口がなくなったのも大きな要因だ。

キヤノンにもコンパクトなミラーレス一眼があるが、レンズも買い替えねばならず、システムをまるっと変更するとなると、少なく見積もっても200万円コースとなる。そんなの、宝くじにでも当たらない限り、無理だ。

ただ一点だけ、惜しいのは、大阪にあるキヤノンユーザーのプロカメラマン専門のメンテナンスショップ『PDA GALLOP』との縁。代表の山下亮さんはまさに職人で、ピントの調整などメーカーではできないほどの精度で仕上げてくださる。メンテナンスに出すと、まるで別物になって返ってくるのだ。

www.pda-gallop.com

一方、ソニーは、名古屋にもプロサポートの窓口があるし、担当の井上さんはいつ行っても親身になってくださる。ソニーショップでカメラやレンズを購入すると、3年保証が付く。少し前にカメラを低い位置から落としてしまい、液晶モニターがバリバリに割れてしまったのだが、これも保証期間内だったので修理は無料だった。

プロとして撮影の仕事をする以上、カメラは最も重要な道具であることは言うまでもない。ついでに言うと、カメラを持たないカメラマンほど役に立たない者はない(笑)。私の場合、カメラ選びの基準は、一に発色。二に携帯性。ソニーの発色が自分好みの色に完全にコントロールできたら、ソニーに一本化しようと思っている。