永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

自粛警察。

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大阪から帰宅後、ソファへ横になったら、秒で寝落ちしてしまった。お風呂にも入っていないし、ブログも書いていない。このまま朝まで眠り続けてしまうのではと女房が起こしてくれた。あまり自覚はないが、やはり大阪への往復で少し疲れが出たのだろう。

さて、先日、友人からスゴイ話を聞いた。彼は本業の傍ら飲食店を営んでいて、コロナの影響について聞いたときのこと。表情が曇り、口籠った声でポツポツと話し出した。本業が別にあるとはいえ、コロナの影響は受けていた。しかも、それは客が来ないとかそんなレベルの話ではなかった。

「“自粛警察”が来たんです。それ以降、店を閉めてます」

はぁ?思わず、耳を疑った。自粛警察はテレビやネットの世界の話だと思っていたが、私の身近なところでも起こっていたのだ。

彼によると、注文もせずに店内でボーッと立っているマスク姿の若い男性がいたそうで、

「どうされました?」と聞くと、

「今、どんな状況なのかわかってますか?」と、まくし立てたらしい。同時期に、周辺にある店のガラスが割られたりしていたという。さすがにそこまでくると恫喝のレベルを超えて、犯罪である。警察も動いて、無事に犯人は逮捕されたそうだ。自粛警察が本物の警察に捕まったのである。

そんなこともあり、結果的に彼は自粛警察の圧力に屈してしまった。話を聞いていて、憤懣やるかたない気持ちになった。捕まった自粛警察は、

「義憤に駆られてやった」と言うだろう。それっぽく聞こえるが、「義憤」とは「道義に外れていることや不公正なことに対する怒り」であり、連中のやっていることは義憤でもなんでもない。怒ることはほかにも沢山あるだろうに。

私の友人は、本業は別にあるものの、飲食店の経営も食べていくためにやっている。他の飲食店と同様に、コロナ禍でも必死なのだ。なぜそれを解ってあげることができないのか。そんな連中は義憤を語る資格もない。あー、胸糞悪い。

今、コロナの第三波が来ているといわれている。これからも自粛警察を名乗る大馬鹿者が出現するだろう。逆に、私はそんなヤカラに聞きたい。

「貴方はナニをやっているんですか?」と。

 

※写真は、大阪・布施『中華そば 光洋軒』の「チャーシュー麺」。本文とはまったく関係はありません。念のため。