永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

プロデューサー、求ム。

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昨日は、午前中に原稿を1本仕上げた後、昼過ぎから取材・撮影。夜は体験もの、あ、これはあるお店に客として行って、食事をするだけなんですけどね。お店へ取材の了解をもらおうと思って連絡したら、店をプロデュースした方が立ち会うことになり、話をしながら食事をした。

今回でお目にかかるのは2回目。詳しくは書けないが、かつてはまったく別ジャンルの料理人をしていたそうで、一念発起して現在の業態を立ち上げたという。

しかも、料理人になる前は理容店、いわゆる床屋さんだったというからさらに驚いた。

「ある程度キャリアを積むと、仕事を覚えさせるため、後輩に任せるわけですよ。それが嫌というか、できなくて。お客さんの手前、もっとこうしろとか言えないですしね。料理人となった今も、味やオペレーションの指導はできても、経営や店舗運営のことは苦手で」とか。

スポーツの世界に「名選手、名監督にあらず」という言葉がある。料理の世界も同じで、食通を唸らせる料理を作ることができるのに、経営者としてはダメダメな人はいる。彼が経営者としてどうなのかはわからないが、生粋の職人なのだろう。

実際、現在のお店もフランチャイズ展開や店舗開発をメインとするパートナー企業とコラボして立ち上げている。優秀なプロデューサーが彼の才能を開花させたのかもしれない。

私も自分一人で写真を撮ったり、文章を書いたりすることはできるが、従業員を雇って自分の片腕にするなんてことは絶対にできない。相手のキャリアに関係なく、自分と同じレベルのことを求めてしまうからだ。

そんなの無理に決まっていると頭でわかっていても。まぁ、それ以前に従業員を雇う余裕がないというのがいちばんの理由だが(笑)。

仕事として取り組んでいる以上、利益を生み出さないと趣味の世界になってしまう。それは十分にわかっている。でも、いつも考えているのは、もっと写真が、文章が上手くなりたいということ。こればかりは仕方がない。

昨日、取材の合間にライター仲間のみゆきちゃんと久しぶりにお茶をした。その時、

「最近、やっと文章を書くのが苦にならなくなった」と私が言うと、冗談としか思われなかった。いや、マジでライターのくせに文章を書くのが嫌いだったんだってば。

「私はナガヤさん=ライターのイメージの方が強いから」と、みゆきちゃん。さらに、彼女と知り合った頃、ちょうど男性週刊誌で仕事をしていた頃の私のイメージは、

「風俗とか裏の世界に精通していて、関わったら売られる、みたいな」らしい(笑)。もはやライターではなく、裏社会のブローカーやんけ(笑)。イメージ悪っ(笑)。

前出の料理人の彼のように、私も優秀なプロデューサーが欲しい。プロデューサー……。私の場合、それは編集者になるのかな。プロ野球の野村監督のような“再生工場”と異名をとる編集者の方、私をプロデュースしてください。