永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

目の前のこと。少し先のこと。

f:id:nagoya-meshi:20201207230901j:plain

世間では師走でバタバタしているというのに、私はゆったりと過ごしている。別の言葉で言い換えれば、「ヒマ」ということだが(笑)、それを絶対に認めてはいけない。何もやることがないというわけではないのだから。書かねばならない原稿もあるし、取材もある。ただ、それがいつもより少ないというだけだ。

若い頃はヒマになると、あっ、ヒマって言っちゃった(笑)。もとい、ポッカリと時間ができると、不安でたまらなかったし、焦りまくった。このまま仕事がなくなったらどうしよう!?みたいな。ジタバタしたところで何ともならないことはわかっているのに。

今はその時間を有効に使っている。本を読んだり、映画を観たり。仕事に直接繋がるわけではないが、写真と文章で何かを「伝える」ことを生業としているので、感情を揺さぶられることが刺激になって創作意欲が湧いてくるのである。

時間があるときにいちばんやらねばならないのは、企画を考えることだ。実はブログではまったく触れなかったことがある。少し前に、ライターとしてステップアップを図るべく、ある企画を練り上げた。そして、担当編集と何度もやりとりしながら企画をブラッシュアップさせて、プラン会議に提出した。

ところが、企画は見送られてしまった。すごく悔しかったが、忙しかったため、その事実に対峙することができなかった。いや、忙しくすることで逃げていたんだな。たぶん。このまま諦めてしまうのか。それとも、別の出版社に持ち込むのか。私の中では答えは出てるんだけどね。諦めるわけがないって。ただ、同じ轍を踏むわけにはいかない。それが今の私の課題。

さらには、もう少し先、55歳や60歳の自分がどうあるべきかも考えねばならない。ずっと考えているのだが、まだビジョンが見えてこない。そんな中、すごく考えさせられる記事に出会った。私も記事と写真を提供している『DANRO』で。

danro.bar

『DANRO』は、「ひとりを楽しむ」をコンセプトに朝日新聞が立ち上げたWebメディアだった。が、今年3月末に更新を停止し、9月末に閉鎖する予定だった。が、初代編集長の亀松太郎さんにサイトが譲渡され、復活したのである。つい先日、私も新生『DANRO』向けの原稿を入稿した。

私の心に突き刺さったのは、↓この記事。

danro.bar

記事で紹介されている写真家の小野寺宏友さんの

「人に頼まれて、生活やお金のために行う撮影は『カメラマン』の仕事。それに対して『写真家』の仕事は、内側から沸き上がってくる『これを撮らなければ俺はダメだ!』という衝動に駆られてシャッターを切る、そういうものだと思っています」

という言葉。

私は「カメラマン」として生きたいのか。それとも「写真家」として生きたいのか。もちろん、後者である。だから、自分の中でこの先やらねばならないことはすでに決まっている。それがわかったのもスケジュールが空いて時間ができたからであり、すべては必然だと思っている。

 

※写真は、新栄『串かつ・味噌おでん ぶっち』の店主、佐藤学さん。先日、ある取材で久しぶりにお目にかかることができた。佐藤さん、ありがとうございました♪