永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

『うま屋』のチャーハンが食べたい!

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食いしん坊のせいか、「これが食べたい!」と思うと、頭から離れなくなる。

取材が終わったある日の夜のこと。『うま屋』のチャーハンがどうしても食べたくなった。帰宅ついでに立ち寄れる近くの店をスマホで検索すると、4キロほど迂回することになるものの見つかった。

スマホに表示された住所をカーナビに入力。もう、頭の中は『うま屋』のチャーハンで頭がいっぱい。車をぶっ飛ばして店へと向かった。

カーナビから「500メートル先、目的地周辺です」と、アナウンスが聞こえてきた。空腹も最高潮。一分、一秒でも早くチャーハンを掻き込みたい!

ところが、その場所にあるはずの店がないのである。新型コロナの影響で閉店を余儀なくされたのか。

後から分かったのだが、カーナビに入力する住所を間違っていた。本当にオレってバカ!でも、そのときはまったく気づいておらず、ただ呆然とするしかなかった。

「お腹がペコペコだし、この際、牛丼でも何でもいいや……」という考えが頭の中を過った。でも、やっぱりチャーハンが食べたい。Siriに「近くでチャーハンが食べられる店」と、問いかけると、周辺の中華料理店をいくつか探し出してくれた。

が、私が本当に食べたいのは『うま屋』のチャーハンなのである。食べられないと思うと、余計に食べたくなってくる。でも、近くに店はない。あるのは、自宅を通り越して清須まで行かねばならない。

空腹に負けて近くの店へいくのか。それとも、帰り道にある中華屋のチャーハンで妥協するのか。はたまた、初志貫徹で清洲市まで車を飛ばして『うま屋』のチャーハンを食べるのか。めちゃくちゃ悩んだ。

こんなことを書くと、大袈裟な話だと思われるかもしれない。たかがラーメンチェーンのチャーハンだが、一事は万事。これは人生というか、生き方にも通ずる。とことん自分のやりたいことにこだわり、追求していくのか。それとも、妥協するのか。

51歳の私にはあまり時間がない。ここで妥協してしまうと、これから先も妥協だらけの人生になってしまう。目標が叶うなら、多少遠回りしたって構わない。そんな気がしてきた。で、清洲の『うま屋』へ向かうことにした。

『うま屋』の看板が見えたときの嬉しかったこと(笑)!そして、チャーハンの旨かったこと(笑)!

何度も言うが、たかがラーメンチェーンのチャーハンである。チャーハンでさえ、こんなにも喜べるということは、一切の妥協を捨てて自分の道を追求したその先に見える世界はどんなものだろう。見てみたい。いや、絶対に見てやる。