永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

台湾ラーメン論。

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久しぶりに、名古屋めしネタ(笑)。

名古屋・今池の台湾料理店『味仙』が発祥の台湾ラーメン。皆様もご存知の通り、名古屋めしの一つである。が、今や東海エリア以外でも食べられ、醤油や味噌、豚骨と同様に、ラーメンの一つのジャンルになりつつある。

それを実感したのは、昨年10月に岡山・倉敷へ出張したときのこと。夜、ホテルに到着して、どこかで夕飯を食べようと食べログで店を探していたら、ヒットしたのが『台湾ダイニング 羅凰(ラオウ)』という店。

taiwandining-raoh.com

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実はここ、台湾ラーメンが看板メニュー。とはいえ、ここは名古屋ではなく倉敷。海外の日本料理店のように現地の人が見よう見まねで作ったのだろうと思い、まったく期待していなかった。大ハズレでもブログのネタになるし。

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これが注文した「台湾ラーメン」。具材は台湾ミンチとニラのほか、台湾ミンチで隠れているが、発祥店の『味仙』にはモヤシが入っていないモヤシ。ビジュアル的には名古屋のラーメン店や中華料理店で見る台湾ラーメンと何ら変わらない。

肝心なのは味だ。箸で麺と台湾ミンチを持ち上げて、すすり込む。あれ?めちゃくちゃ旨い!名古屋のそこらにある中華屋よりも断然美味しい。名古屋市北区にある台湾ラーメンの名店『幸龍』と同様に、ベースとなるスープのレベルが高く、辛さの中にしっかりと旨みがある。

倉敷市内には、この『羅凰』以外にも台湾ラーメンを出す店がいくつかある。中でもド肝を抜かれたのが『台湾料理 あじ仙』なる店。いやいや、“あじ仙”って(笑)。確信犯だろ(笑)。次に倉敷へ行くことがあったら訪れてみたい。

tabelog.com

台湾ラーメンは紛れもなく、名古屋が発祥である。が、ウカウカしていると、県外の美味しい台湾ラーメンを食べた客から「本場なのに、この程度かよ」とナメられることになりかねない。

あと、台湾ラーメンがラーメンの1つのジャンルになりつつあると思うのは、カップ麺や袋入り麺のラインナップの豊富さ。地元のスガキヤ食品以外にも全国区の日清やマルちゃん、エースコックからも発売されているのだ。

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これは、京都に本社がある、冷凍の鍋焼きうどんが有名なキンレイの「お水がいらない台湾ラーメン」。パッケージのインパクトあるビジュアルにつられて、つい、買ってしまった。

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電子レンジで調理するのかと思いきや、凍ったまま鍋に入れて、火にかける。麺の下にはスープがあり、まずは弱火でそれを溶かしていく。スープがグツグツと沸騰してきたら、火加減を調節しながら麺を溶かしていく。全体の煮込み時間は約8分が目安とか。

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出来上がったのが、これ。鍋でスープと麺を溶かす際に、どうしても箸でかき混ぜてしまうので、台湾ミンチが丼の底に沈んでしまう。結果、パッケージの画像とは似ても似つかないビジュアルに。

さて、肝心なのは味である。カップ麺と比べて値段は高いし、調理時間も8分と長い。否が応にも期待してしまう。

ところが、辛すぎるのである。台湾ラーメンだけに辛口でコメントすると、ただ単に辛いだけ。この商品を開発した人は本当に台湾ラーメンを食べたことがあるのかと疑ってしまう。

いや、それはこの商品に限らず、台湾ラーメンと名が付くすべてのインスタント食品にも言える。台湾ラーメンを世に広めてくれるのは、名古屋めしのファンとして、とてもありがたいが、実際にこのテの商品で満足したことがない。

台湾ラーメンはピリ辛醤油ラーメンではない。前にも書いたが、辛さの中に旨みがあってこそ台湾ラーメンと名乗る資格があるのだ。