永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

“ひとり飯”のススメ。

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私が暮らす愛知県でも新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく、緊急事態宣言が発出された。気になるのは、やはり飲食店を営む人々である。忘新年会もズタボロで「泣きっ面に蜂」とはこのことだろう。

前回の緊急事態宣言では、飲食店に対して休業要請が出された。今回は時短要請である。愛知県の飲食店は、昨年12月から時短要請が出されていて、夜9時までしか営業はできなかった。これが夜8時まで、アルコールの提供は夜7時までとなると、店を開けていても売り上げは望めない。

1日6万円の協力金がもらえたとしても、人件費や家賃、水道光熱費などで消える。本当に何のために仕事をしているのかわからなくなる。

一昨日だったと思う。錦3丁目で飲食店を営んでいる知り合いが昼のテレビ番組に出演して、コメントしていた。

「緊急事態宣言以前に、すでに錦界隈では人通りがありません」と憤っていた。彼の言い分は、錦3丁目に人がいないのに新型コロナの感染が拡大しているわけで、ここで緊急事態宣言を出したところで感染拡大の防止につながるだろうか?というものだった。

緊急事態宣言は、飲食店の時短営業ばかりがクローズアップされているが、不要不急の外出を避けることをもっと訴えるべきだ。

先日、ある編集者とメールでやりとりしていたとき、

「感染拡大防止のために、他人との会食は極力避けた方がいいと思いますが、“ひとり飯”は飲食店を支援するという意味から行ってもよいのではないかと」という話になった。『孤独のグルメ』、すなわち“ひとり飯”は、コロナ禍でも楽しめるのだ。

新型コロナは、飛沫で感染する。だから4人以上だろうが、以下であろうが会食は避けた方がよい。しかし、“ひとり飯”の客ばかりであれば、感染リスクはぐんと低くなる。

私は一人で仕事をしているので、昼はだいたい“ひとり飯”である。「変態グルメ」(笑)を提唱する高嶋政宏も著書『変態紳士』で「料理と料理人と対峙するために、いつも食事は一人」というようなことが書かれていた。

新型コロナが落ち着くまで、私は“ひとり飯”を推奨する記事を書き続けようと思う。リモートワークができない業種で働いている人は外で昼食を摂らざるを得ない。

そんな方たちに空腹を満たすだけではない、心も豊かになるような情報をお届けしたい。さらには飲食店の支援になれば、そんなに素晴らしいことはない。そこにフードライターとしての役割を見つけたような気がする。