永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ひとり飯のススメ。(3)

“ひとり飯”は、女性にとってハードルが高いのだろうか。とくにラーメン屋へ行くのは抵抗があると聞くが、私の知り合いの女性は、全然平気でラーメン屋どころか牛丼屋にもひとりで食べに行くという。

彼女は女性特有の「群れる」ことが嫌い。ゆえに、“ひとり飯”を楽しんでいる。女性がグループで食事に行くのは、食事とお喋りの両方を楽しみたいからだろう。しかし、今は新型コロナの感染が拡大しまくっている。これを機に“ひとり飯”デビューをしてみてはいかがだろうか。きっと、新たな発見や感動があると思う。

さて、今回紹介するのは、私の自宅の近くにあるラーメン店の中でもいちばん美味しいと思っている『中華そば 大橋家 巨泉』。以前は「九之坪」交差点の近くで『九之坪 大泉 九』という名前で営んでいた。昨年10月にすぐ近くに移転したのである。

前の店は、駐車場が遠くて不便だった。500mくらい離れていたので、店の近くに路駐してヒヤヒヤしながら食べたこともある。が、今は店の前にたっぷりと駐車スペースがある。それがありがたい。

ここのラーメンは私の長男と次男も好きで、よく3人で食べに行った。今回は「ひとり飯のススメ。」なので、私ひとり。

ここのラーメンは、飛騨高山のたまり醤油を使った「醤油」と、石垣島の塩を使用した「塩」、飛騨高山産の「味噌」の3種類。麺の上にのる具材によって、「中華そば 梅」(チャーシューとメンマ、ネギ)と「中華そば 竹」(梅+味玉)、「チャーシュー麺」、「台湾中華そば」に分類されている。いつもは「醤油」を注文するのだが、今回は気分を変えて「塩」を注文。

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これが「中華そば 竹」の「塩」。見た目はかなりシンプルだが、スープをひと口飲んで、まったく角がなくてまろやかな味わいに驚愕した。しかも、奥行きがあって身体に染み渡る。

ネットで調べてみると、「塩」に限らず、「醤油」や「味噌」も完全無化調らしい。身体にスルッと入っていく感じがするのはそのためか。食後もまったく胃もたれしない。五十路のおっさんにはありがたい。

また、麺は細麺でしっかりとしたコシがあって、噛むごとにしっかりと小麦の味がする。具材でいちばん目を引くのは、大ぶりなチャーシューだろう。これがトロトロに煮込んであって、めちゃくちゃ美味しい。ただ、『九之坪 大泉 九』の頃は、提供する直前にバーナーで炙っていたが、今はその工程をカットしているようだ。それが少し残念。

ここ『大橋家 巨泉』と同じエリアに無化調の塩ラーメンの名店『徳川町 如水 西春店』がある。私もたまに行くが、絶対に前者の方が美味しい。何というか、食べ終わった後にホッとするのだ。ひとりで食べに行くと、味そのものに集中できるため、その“ホッと感”が倍増する。これも“ひとり飯”の醍醐味だろう。