永谷正樹、という仕事。

フードライター、カメラマンの日常を書き綴ります。

ひとり飯のススメ。(4)

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写真は、皆様もご存知の『豚旨 うま屋ラーメン』の「名物チャーハン」。私、永谷正樹が独断と偏見で選ぶ、本当に美味しいチャーハンの頂上決定戦『チャー1グランプリ」にもノミネートされている一品である。

とはいえ、『うま屋』はラーメン店であり、「名物チャーハン」はサイドメニューにすぎない。それなのに、何なんだ、この旨さは。以前、このブログで「『うま屋』のチャーハンを超えるチャーハンが食いたい」と題して書いたことがあった。

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本当に、「名物チャーハン」を食べるたびに「巷の町中華よ、もっと頑張れ!」と言いたくなる。決してラーメン店を下に見ているわけではないが、ラーメン店でこんなに旨いチャーハンを作ることができるのである。チャーハンといえば、中華料理でも基本中の基本だ。それが美味しくないというのは、致命的ではないのか。

 「名物チャーハン」は、なぜ旨いのか。他のチャーハンとの違いを私になりに分析してみた。

味の決め手となるのは醤油ダレである。素人ゆえにその中身まではわからない。が、具材は明らかになっている。刻んだチャーシューとネギ、卵である。巷の町中華と何ら変わらない。

写真をよーく見てほしい。卵もネギもかなり量が多い。とくに、卵がポイントとなる。たっぷりの卵に吸い込ませた多めの油で炒めているのだ。ひょっとすると、油もネギ油を使っているかもしれない。

まずは、家で上記の方法を試して「名物チャーハン」の食感を再現してみよう。なーんてことを食べながら考えていた。これも食べることに集中できる“ひとり飯”だからできるのである。

それと、もう一つ。前にも書いたが、『うま屋』はラーメン店である。ゆえに、チャーハンだけを注文するのに、私は少し躊躇いがあった。だから、もっぱらランチでは「チャーハンセット」をオーダーしていた。わかるかなぁ、その気持ち。

しかし、このセット、ラーメンは1人前のボリュームがあるのに、チャーハンはハーフサイズなのである。そこから「チャーハンセット」のメインはラーメンであることが伝わってくる。そりゃそうだ。ラーメン店なんだから。

チャーハンセットのチャーハン大盛が可能なのかはわからない。いや、そうなると、完食できる自信がない。っていうか、本当に食べたいのはチャーハンなのだと自分の気持ちに嘘がつけなくて(笑)、最近ではランチタイムでも「名物チャーハン」単品、それも大盛を注文している。

くだらないと思うだろうが、私の中ではとても勇気が要る決断だった。何せ、寿司屋へ行って茶碗蒸しだけを注文するようなものだから。って、ちょっと違うか(笑)。

お腹も心も満たされた上に「名物チャーハン」目当てに『うま屋』へ行っていることをカミングアウトできた達成感に酔いながら、代金を支払うためにレジへ向かった。ふと、カウンター席に目をやると、巨漢の男性客が「名物チャーハン」の大盛り2人前をがっついていた。彼のことを「チャーハン師匠」と呼ばせてもらう。